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ブラックマンデー前夜と酷似?現在の市場に3つの共通点。いま個人投資家はどう備えるべきか=栫井駿介

暴落は怖くない?

確かに暴落が起こる可能性はあります。
しかし、私はそれほど悲観的になる必要はないと考えています。
金利が上昇した場合、ハワード氏のような専門家は、株式有利の市場から債券有利に変わると言っていますが、私たちが行っている投資は、株式と債券の競争を意識しているわけではありません。
株式の性質は企業の成長によって株価が伸びるということです。
したがって、金利が高いか低いか、債券との比較に関係なく、企業の業績が成長している限り株価は上昇するという考え方で投資します。

私たちのような投資家は、金利の上昇によって株価下落が起こった場合には、借金の少ない優良企業を買えば良いのではないかと考えています。
金利が上昇する局面においては、借金が多いと利払いが重しになってしまいます。
昔はそれ自体が経済の停滞につながるものでしたが、今のITなどの成長企業はそこまで借金を抱えていません。
外部環境に関係なく、社会の進展に伴って成長していくような企業に目を向けていれば金利の上昇はそれほど気にすることはないと考えています。

<債券のリスク>

株式には確かにリスクがありますが、債券にリスクが無いというわけでもありません。
債券の大きなリスクとしてインフレリスクがあります。
仮に5%のリターンがあったとしても、それ以上に物価が上がってしまうと実質リターンはマイナスになってしまいます。

一方株式は、変動はあるものの、インフレが起きた場合はコストを価格に転嫁できるので、インフレ並みに株式の価値が増えることになります。

債券に投資するということはある意味インフレリスクを無視しているということであり、長期的に考えるなら債券より株式の方が圧倒的にリターンが多いと私は考えます。

長期投資の心構え

素晴らしい企業は右肩上がりで成長し続けます。
つまり、見つけた時が一番安いということです。

一方で暴落が起こることもあります。
暴落時に買えればそれはそれで良いことですが、暴落時であってもその時の株価はさらに以前の株価とさほど変わらなかったりします。

見つけた時に買って、もし暴落があった時にはその時にも買えば、単純に2倍買うことができます。

大事なことは、タイミングを待つことではなく、良い企業を見つけ出して、すぐにでもまず買うことです。

そして暴落があればさらに買うということで、今後金利の上昇などによって暴落が起きるとしたら、その時にまた買えるように今のうちに良い企業に目を付けておきましょう。

それが、最善の「暴落への備え」になると考えます。

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image by:DC Studio / Shutterstock.com
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バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 』(2023年11月5日号)より
※記事タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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【毎日少し賢くなる投資情報】長期投資の王道であるバリュー株投資家の視点から、ニュースの解説や銘柄分析、投資情報を発信します。<筆者紹介>栫井駿介(かこいしゅんすけ)。東京大学経済学部卒業、海外MBA修了。大手証券会社に勤務した後、つばめ投資顧問を設立。

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