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いま現役世代の8割強が老後貧困に落ちる当然の理由。「自分は大丈夫」と思っていると地獄を見る=神樹兵輔

日本は自民党の「悪政てんこ盛り」の政治で国民は窮乏

自民党は、経団連の命令を受けて、外国人技能実習制度(1993年導入)まで作り、低賃金・奴隷労働によって日本人全体の賃金下落圧力を推進しました。

適性に合わない仕事を発展途上国の人に強制的にあてがい、転職も認めないという憲法違反のこの制度によって、毎年7,000人〜9,000人の失踪者を生みだし(ただちに不法滞在)、犯罪に追いやる酷い仕打ちを続けています(現在、政府・自民党は新制度を画策中ですが、本質は変わらず奴隷労働で、3年程度で帰国していた外国人労働者をせめて5年ぐらいに延長して働かせようという悪巧みにすぎません)。

また、富裕層のためには、利子や株式配当金や株式売却益などにかかる金融所得課税を「源泉分離課税」に一本化し(1988年導入)、所得税率15%、住民税率5%の計20%(現在はこれに復興所得特別税が0・315%上乗せされる)だけとしたのも、政府・自民党でした。

これによって累進課税の所得税なのに、1億円以上の所得を超えるとかえって税金が安くなる「1億円の壁」を創出しています。上級国民・優遇政策の極致でしょう。

そして、消費税(1989年導入)によって、子供から高齢者まで国民全員の消費に罰金を課すような制度をつくったために、GDPの6割を占める個人消費を衰退させ、国内需要をそぎ落として、企業の設備投資意欲までも減退させてきました。

これらは、すべて大企業中心の経団連の命令によって、自民党が率先して行ってきた悪政に他なりません。

もちろん、経団連だけでなく、アメリカ政府からの日本改悪の「年次改革要望書(毎年10月)」の指令も来て、その意を受けた日米合同委員会からも、数多くの秘密指令が次々出され、それに忠実に従ってきたのが政府・自民党とカルト教団傘下で別名「下駄の雪政党」と呼ばれる公明党でした。

経団連加盟の大企業は、全体でも年間たかだか20〜30億円レベルの政治献金を自民党議員にバラ撒くだけで、その数千倍にのぼる大企業税制優遇などのキックバックを得てきています。

このように、自民党は、とことん大企業や富裕層のフトコロを肥やすためだけに寄与してきた政権政党だったのでした。

経団連は、労働者の賃金が上がらないように、また自分たち大企業や富裕層が出来るだけ税金を払わずに済むように、自民党を使い、法制度を捻じ曲げでっち上げて、自分たちに都合のよい方向へとさんざん日本を荒廃させてきたのです。

消費税率アップとともに、法人税率を下げてもらい、さらに大企業にだけ、特別減税措置を次々つくらせて、法人実効税率が30.62%の日本で、大企業だけが17%前後の税金しか払わず、輸出大企業は6兆円を輸出還付金としてもらっています。

下請けに対して、払ってもいないのに、仕入れにかかったと称して、仕入れ分の消費税額を返してもらっているのです。

消費税率をアップするほど還付金は大きくなるため、経団連は消費税率を19%まで上げろと自民党に命じています。

かくして、国民はひたすら窮乏化し、2022年度の大企業(資本金10億円以上)の内部留保額は511.4兆円(過去最高)という、日本のGDP並みの金額にまで膨ませることができたのでした。

老後「2000万円問題」から4年が経ち、老後資金は2000万円でもまだまだ足りないことが浸透してきた

ここまで見ていただいた通り、国民を窮乏化させてきた自民党政治はまだまだ続きそうです。野党に期待する人々が少なすぎるからです。

なんたって、今の岸田総理が駄目でも、次の総理は「小石川連合」の中から選べば……などと言うことを、バカなマスメディアが喧伝しているぐらい脳天気な日本の状況だからです。

ちなみに「小石川」という語呂合わせは、小泉進次郎、石破茂、河野太郎という3氏のことだそうで、全員が自分の「一族の繁栄」しか考えていないようなレベルの世襲議員なのですから、もはや絶望的な政治状況です。

小泉氏あたりが選ばれたりして、「セクシーな総理大臣」誕生とかいって、メディアは盛り上げるのでしょうか。

とまれ、話はここからが本番です。

現在、20代、30代、40代、50代の現役サラリーマンの方々は、「自分はまあ普通のほうだし、まずまず平均的な位置づけの勤労者だから、老後も何とかなって大丈夫」などと、老後のことを、あまり深く考えていない方も少なくないのではないでしょうか。

こうした考えでいることは、極めて危険です。

前述した生活保護受給者約202.4万人のうち、約半数の105万人が65歳以上高齢者です。高齢者のほとんどが貧乏暮らし――だからなのです。

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