雇用統計で米国の利下げに確信が持てるかが焦点
今週発表された米国の雇用関連の経済指標は、いずれも決して強い数字ではなく、やや弱さを意識させるものとなっています。
雇用関連の経済指標は、前月と比べて悪化傾向が明らかとなっています。一方で、直近の雇用統計は想定以上に強く、利下げを支持するような数字ではありませんから、利下げを意識するには、少なくとも予想を下回ってくるような数字が求められるでしょう。
直近はやや利下げへ前向きという流れの中で、それを裏付ける数字が出るのか、それを否定する数字が出るのか、注目したいところ。
ここまでの雇用統計の数字が強かった影響もあるのか、雇用者数、平均時給ともに予想は強めの数字が並んでいます。
したがって、ドル安となってドル円が下がるためには、最低でもこの予想の数字を下回ることが求められるでしょう。これを超えることがあれば、ドル買い戻しにつながりやすいだけに警戒が必要です。
️日経平均が持ち直したことで円売り継続!
先月、1月分は悪天候の影響があっても強めの数字でしたから、今回も大きく下回るという数字は想定しにくいように思います。相変わらずインフレも根強く、企業が賃金を大幅に下げるという展開も考えにくいですからね。
したがって、予想並の数字が出てドル安は限定的というのがメインシナリオか。そして、本日は日経平均が堅調な値動きとなっていますから、円売り再開でドル円相場は底堅い値動きをしやすいと考えています。
予想を大幅に下回る数字、例えば、非農業部門雇用者数が+10万人を下回る、あるいは平均時給が前月比で横ばいかマイナスといったサプライズがあるならともかくとして、そうでもなければ昨日も割れなかった147.50円レベルすら割り込むのは難しいでしょう。89日移動平均線も強いサポートとなりそうです。
逆に強い数字が出てしまうと、再び利下げ後退、後ズレを意識して米長期金利が反発して、ドル買いに結びつきやすいでしょう。
やはり、利下げが意識されない限りは大幅なドル売りからの円売りの巻き戻しも発生しにくく、急落を想定してトレードするのは時期尚早といった感じがします。