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7月3日発行の「新紙幣」が最後の紙幣になる?時代遅れの“催し物”の裏で儲かるのは誰か=鈴木傾城

すでに若年層はインターネットでもリアルでも、当たり前のようにクレジットカードやデビットカードやQRコードなどを使ったデジタル決済をしている。すでに「財布は忘れてもスマートフォンさえ忘れなければ買い物から食事から電車賃まですべてまかなえる」社会になっているのだ。

実際、私自身も紙幣や硬貨はほとんど使わなくなった。100円程度のモノを買うときでもスマートフォンで決済している。

いったん、デジタル決済の利便性に慣れると、紙幣や小銭を買い物のたびに数えて財布から取り出したり、おつりを受け取ったりするのがいかに非効率かがわかるようになってくる。

高齢層は今もなおスマートフォンをうまく使えないので、まだスーパーやコンビニで財布から「1円、2円」と数えながら紙幣と硬貨で払ってもたもたしているが、若年層の間ではもはや現金決済をしている人の方が珍しい。

そういう意味で、今さら紙幣に力を入れる政府の姿勢は時代遅れな感が否めない。

令和の時代に発行される新しい紙幣が最後の紙幣?

時代はデジタル決済が主流なのだ。もう抗っても仕方がない。そして、このデジタル決済も、クレジットカード決済、デビットカード決済、電子マネー、QRコード決済、キャリア決済、コンビニ決済……と、多種多様で興味深い。

今はQRコード決済を好む層もいるが、非効率なので最近は非接触決済(タッチ決済)が主流になっており、これが決済手段を独占していこうとしている。どう考えても非接触決済の方が安全であり迅速だからである。

非接触決済とは、スマートフォンなどを簡単にタッチしただけで決済ができるスタイルのものである。アップル・ウォッチで非接触決済をしている人は、決済のためにスマートフォンを出す必要すらもない。

決済のたびにスマートフォンにQRコードを表示したり読み込んだりするような決済と、タッチした瞬間にやり取りが終わる決済のどちらが合理的なのかと考えると、圧倒的に非接触決済の方が合理的である。

決済の利便性とセキュリティの観点からも非接触決済のほうが優れている。暗証番号の入力やサインが必要ない。日本国内のクレジットカードの約9割が非接触決済に対応している。また、スマートフォンの非接触決済に対応するアプリも数多くリリースされている。

デジタル決済がどのようなスタイルで定着するのかは、まだまだこれからの話なのだが、ひとつ言えるのは、すでに令和元年から時代は「紙幣・硬貨」から「デジタル決済」へと移り変わっているので、新しい紙幣はこれまでより使われることは「ない」ということだ。

場合によっては、令和の時代に発行される新しい紙幣が「最後の紙幣」として記録されたとしても私は驚かない。「最後の紙幣」は価値があるのか。象徴としての紙幣、骨董品としての紙幣としては価値はあるかもしれない。

しかし、「時代の流れ」から見ると新しい紙幣は明らかに時代遅れであり、日本政府はこんなものよりもデジタル決済を普及させるほうに神経を集中させたほうがいいのではないか。

Next: 主流はデジタル。新紙幣よりもVISAやMastercardのほうがまばゆい

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