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7月3日発行の「新紙幣」が最後の紙幣になる?時代遅れの“催し物”の裏で儲かるのは誰か=鈴木傾城

今年、2024年7月3日に紙幣のデザインが変わる。この新紙幣への切り替えは大きなイベントではあるが、誤解してはいけないのは今後は「紙幣・硬貨」は本流になり得ないということだ。本流は「デジタル決済」のほうである。このデジタル決済が主流となって定着していくのであれば、どこが儲かるのだろうか。(『 鈴木傾城の「ダークネス」メルマガ編 鈴木傾城の「ダークネス」メルマガ編 』鈴木傾城)

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プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)
作家、アルファブロガー。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」を運営している。

2024年7月3日、紙幣のデザインが変わることになる

今年、2024年7月3日に紙幣のデザインが変わる。一万円札は近代日本経済の父である渋沢栄一、五千円札は日本で最初の女子留学生としてアメリカで学んだ津田梅子、千円札は破傷風の治療法を開発した細菌学者の北里柴三郎の肖像である。

紙幣のデザインが変わる理由は、いくつもの理由が挙げられている。真っ先に言われているのが「偽造防止技術の向上」である。新紙幣には、最先端のホログラム技術が導入される予定だ。

また、耐久性も向上し、グローバル化の観点からも数字が見やすくわかりやすいデザインとなり、ユニバーサルデザインとして、透かし部分に点字が採用されることになっている。

語られていない裏の理由としては、「莫大なタンス預金のあぶり出し」もあるのではないかと邪推もされている。

タンス預金の額は30兆円から80兆円の規模で存在するようだが、これらの「表に出ない現金」は資金洗浄や租税回避の温床になり得るものであり、政府はこれをあぶり出して租税したい。

実際には、新紙幣になったからと言ってタンス預金が表側に出てくるのかどうかはわからない。しかし、「新紙幣に変えないといつまでも旧紙幣だと怪しまれる」という感情で、一部のタンス預金が表に出てくる可能性は高い。

旧紙幣と新紙幣の入れ替えをきっかけに、政府や国税庁や税務署は隠れていた現金の存在を確認することになるのだろう。タンス預金として退蔵されている現金がどれくらい表側に出てくるのか、関係当局は固唾を飲んで見守っているはずだ。

いずれにせよ、2024年7月3日に新紙幣が登場してから、表の社会も裏の社会もいろいろ奇妙な動きも起こるだろう。

若年層の間ではもはや現金決済をしている人の方が珍しい

ところで、この新紙幣への切り替えは大きなイベントではあるが、誤解してはいけないのは今後は「紙幣・硬貨」は本流になり得ないということだ。本流は「デジタル決済」のほうである。

高齢化が定着してしまっている日本では、まだまだデジタル決済に飛び込めない人や環境が続いている。しかし今後は、デジタル決済がもっと当たり前になって、紙幣や硬貨はほとんど使われなくなっていく。

デジタルはモノを駆逐している。効率性と合理化を求める社会がデジタル決済への移行を人々に「強制」している。とすれば、2024年7月に新紙幣が出ても、それを使うよりもデジタルを使う人のほうが多いのは当然だ。

Next: なぜいま?令和の時代に発行される新しい紙幣が最後の紙幣か

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