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「円弱」で搾取される日本人。円安になればなるほど引き起こされる地獄絵図を私たちはまだ知らない=鈴木傾城

私自身は通貨は「温泉のようなもの」で、熱すぎず冷めすぎず、ほどほどにちょうどいいのが最適であると考えている。つまり、「円高であればあるほど良い」も「円安であればあるほど良い」も間違っていると認識している。

ちなみに過度な円高になっても日本企業は国外で競争力を失うので、日本経済にとって良くないのは2009年から2012年までの円高でもわかる。このときもリーマンショックの余波も重なって倒産件数が爆増していた。

現在は逆に行き過ぎた円安と物価高で、2024年の倒産件数は1万件突破も視野に入っているほど深刻になっているのだが、円安が引き起こす「本当の危険な面」を多くの人は理解していないと思う。ここでひとまず、どれだけ問題があるのかを列挙してみたい。

円安になればなるほど引き起こされる深刻な問題

・円安になればなるほど、日本の優良資産は外国人に買われるようになる。安く買えるからである。大企業も大株主は軒並み外国人になる。結果的に、円安で儲けている大企業は、外国人の大株主に配当を出すようになる。途上国の優良企業はだいたいそうなっている。

・円安になればなるほど、外国からの経済侵略が進む。なぜなら日本の資産が安く買えるようになるからである。大都市の優良な土地建物だけでなく、水資源も、山林資源も、外国資本になる。円安で外国勢力が安く買い叩けるからだ。途上国では、だいたいどこも外国資本に乗っ取られている。その後、円高になっても、買われた土地建物は戻って来ない。

・円安になればなるほど、その円を稼ぐ日本人はますます貧しくなることになる。安い通貨しか稼げないので、低賃金で労働しているのと同じになってしまうからだ。途上国の国民はそうやって貧しくなっている。

・円安になればなるほど、日本人も日本の通貨がゴミのように思うようになる。そして日本円は日本人からも信頼を失うようになる。日本の通貨を持っていたら、外国のちゃんとした通貨に入れ替えようと思うようになる。誰でも価値のある通貨で安全を担保したいからだ。途上国の国民はみんな、そうしている。

・円安になればなるほど物価が上がっていく。賃金の上昇はすぐに物価に追いつかず、貧困層が円安で大きなダメージを受ける。さらに、これまでギリギリで生活をしていた層も貧困層に落ちていく。円安は輸出企業やドル資産を持つ富裕層には快適だが、底辺層はますます増えていく。

・円安になればなるほど、不良外国人が大量に入ってくる。なぜなら、物価は安いし、「現地の女性も安く買える」からである。途上国では、だいたい多くの不良外国人が入り込む。途上国のアンダーグラウンドは、だいたい不良外国人の巣窟になっている。

・円安になればなるほど、優秀な若者、バイタリティのある若者、大きく稼ぎたい若者は外国に出ていく。なぜなら、外国の通貨で稼いだほうが同じ働くにしても有利になるからだ。途上国では、それで出稼ぎ経済となっている。

Next: 日本人が搾取される?まだある円安が引き起こす最悪の変化

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