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タマホーム、配当権利落ちで株価下落…今が買い時?長期投資家が注視すべきリスクと将来性=佐々木悠

タマホームの特徴は「安い」こと

タマホームは1998年福岡で不動産の設計建設を目的に設立されました。国内競合の大和ハウスが1955年創業、積水ハウスは1960年の創業ですから、タマホームは後発の住宅メーカーです。競合他社とタマホームの異なる点は、低コストで住宅を建てられることです。創業者であり、現会長の玉木康裕氏は創業当初のことを以下のように述べています。

30代の頃、住宅建築事情を学ぶために渡米した際、日米の土地と住宅の価格差に衝撃を受けました。アメリカの住宅の平均価格は坪単価約30万円。その価格が人々の暮らしに豊かさを与える事も学びました。それならば、日本でローコスト住宅が普及すれば、日本人も豊かな暮らしと、芸術や文化に勤しむ生活を楽しむ事ができる。だから、ローコスト住宅を提供しようと考えました。その想いを実現するために、私はタマホーム株式会社を創業いたしました。

タマホーム ホームページより引用

このローコストを実現するタマホーム独自の仕組みを「タマストラクチャー」と言います。

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出典:タマホーム ホームページ

その仕組みは以下のように説明されています。

森林組合・林業者、製材・プレカット工場とタマホームが直接つながることで、中間マージンをカット。事前に建築棟数および木材使用量等を伝えることにより、市場の相場や時期に左右されない、安定した価格での仕入れが可能となっています。また、各産地で製材された木材は、品質基準をクリアした指定工場で加工し、均一で安定した品質の構造材を全国に供給しています。

この資材発注の管理に加え、その先の基礎工事や内装工事なども全て自社で管理することで工期の短縮にも繋がり、注文住宅の無駄を省くことで安く建てられる家を提供しています。この特徴が消費者に受け入れられ、住宅販売数を伸ばすことで成長してきたのです。

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出典:決算短信より作成

以上が、タマホームの特徴です。では、タマホームにはリスクはないのでしょうか?

国内の市場縮小をどう考える?

タマホームが抱える最大のリスクは、「国内の住宅市場縮小」への対応です。中長期的に人口、世帯数の減少の影響を受けるものと考えられます。

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出典:中期経営計画

 

これは他の会社も同じ状況ですが、競合他社は海外の住宅市場に参入したり、賃貸収入を増やすことで収益の安定を目指しています。その点、タマホームの中期経営計画における戦略は、国内におけるシェア拡大を目指す、です。基本的には市場が縮小する中でも、家をたくさん売る、という意味です。

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出典:中期経営計画

これまでは、安さを売りにシェアを拡大してきました。この強みが住宅需要の低減の中でも業績成長を支えていけるのか、ここが中長期的なリスクの一つだと考えるべきでしょう。

Next: 投資するべき?ポジティブ要素とネガティブ要素から見極める

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