日本のパスポートといえば、観光旅行やビジネス目的なら世界中のほとんどの国や地域に、ビザなしで渡航や滞在ができるということで、“最強のパスポート”などとも言われるなど、高い信頼を誇っていたものだが、今やそれも昔の話になりつつある状況。
というのも、ここ近年急増しているという日本人女性による「出稼ぎ売春」の影響で、女性が一人旅でアメリカに入国しようとした際に、今までにないほど執拗な審査を受けるケースが増えているというのだ。
「パスポートの信用完全に毀損されてる」と怒りの声
SNS上で話題になっているのは、先日旅行でハワイに入国しようとした、以前から同地には行きなれている女性の方による投稿。
先日ハワイで受けた入国審査について。
備忘録として記録していたものを折角なので公開します。
※長文ポストが5~6回続きます入国審査 女性審査官
【質問内容の一部】
・滞在日数
・渡航目的
・滞在ホテル
・同行者はいるのか1人で来たと分かると審査官の態度が急変。…
— maami (@maa_ma_mithmm) July 17, 2024
まず最初の入国審査で、一人で来たということが相手に伝わると、審査官の態度が急変。仕事の有無や所持金、またハワイに知り合いはいるかなどの質問を何度も受けたとのこと。
さらにその次の税関でも、スーツケースの中身を隅から隅まで調べられた上に、先のイミグレ同様に執拗な質問攻め。この方の場合、途中から現地のJALスタッフが通訳としてくわわってくれるという幸運もあったようなのだが、それでも長時間に渡る審査という名の取り調べが続いたのだというのだ。
出稼ぎ売春のせいで日本のパスポートの信用完全に毀損されてるじゃん。どうすんのこれ
— 警備業論考 (@keibigyo_ronko) July 17, 2024
これさ そこまで出稼ぎ売春の連中酷いってことだよな。
昔なんて日本人ってだけでフリーパスみたいなもんだったじゃん。
何か悲しくなるね https://t.co/joqIBRfMEd
— キラ@デブ犬 (@gyokai_tonkotu) July 18, 2024
女性一人での渡航というだけで売春目的だと疑われ、ここまで厳しい入国審査を受ける羽目になるという現実に、「日本のパスポートの信用完全に毀損されてる」「昔なんて日本人ってだけでフリーパスみたいなもんだったじゃん」などと怒りや嘆きの反応が多くあがているSNS上なのだが、実際のところ2020年頃からすでにアメリカは、日本人女性の単独渡航に関して、入国審査を相当に厳格化していたよう。
そのため海外出稼ぎの行き先も、定番だったアメリカだけでなく、アジア各地など多様化している状況のようなのだが、その結果として例えば今年5月には韓国で日本人の女3人が逮捕されるなど、アメリカ以外の様々な国で日本人女性が売春の疑いで逮捕される事例が続出することに。
いうなれば、日本人の女性観光客は出稼ぎ売春が大いに疑われる……といった見方や評判が、アメリカのみならず世界各地で拡散しているといった状況なのだ。
ワーホリでは認められていない風俗業に従事するケースも
いっぽうで、本人こそ当初は全く望んではいないものの、いつのまにか売春に手を染めるパターンに陥ってしまうことが多いとされるのが、いわゆるワーキングホリデーだ。
渡航先で観光や勉強をしつつ、生活費を稼ぐため現地での就労が認められるというのがいわゆるワーホリなのだが、近年は円安の影響もあり、低賃金の日本で働くよりも海外のほうが断然稼げると、若者らがこぞってオーストラリアなどに向かったわけだが、このところはあまりにも渡航者が殺到したため、現地での人材は余剰気味なのだという。
特にこれといった技能もなく、さらに英語などの現地語が話せないとなると、完全に仕事にあぶれてしまうことが多いようなのだが、そういった状況に陥った女性のなかには、例えば違法サービスを提供するマッサージ店などで働くという者も増えているという。
ワーホリにおける就労では、いわゆる風俗関係は認められておらず、いうなればワーホリの制度を悪用しているといえる上記の状況。ただ、そういったケースが相次ぐようだと、今後の日本人女性へのワーキングホリディビザの発給に影響が出る可能性もありえるとの話も、どうやら取沙汰されているようなのだ。
ホストが女性をカタにはめて……といったケースもあるいっぽうで、SNS上での“高額報酬”等の謳い文句に誘われて気軽に応募する者も多いなど、今後もその数が増えることが大いに想定される出稼ぎ売春。しかし、そのことが作用して起こる各地での入国審査などの異様なまでの厳格化、ひいては日本という国への海外からの信用失墜といった実害は、今後より深刻化していくのは間違いなさそうである。
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