トランプ暗殺未遂事件にある多くの謎について解説したい。これは、20歳のトーマス・クルックスの単独犯行だとされているが、実はそうではなく、この暗殺が事前に周到に計画されたものであり、複数の狙撃手がいた可能性を示唆する事実が多い。日本の主要メディアが報道することはないと思うので、これらの事実を知っておくことは重要である。(『 未来を見る! 『ヤスの備忘録』連動メルマガ 未来を見る! 『ヤスの備忘録』連動メルマガ 』高島康司)
内部犯行を示す膨大な事実
今回のトランプ暗殺未遂事件には、トランプを警備していた「シークレット・サービス」の単純なミスであるとは到底考えられない事実があまりに多い。
明らかになっているすべての事実を列挙すると長くなるので、中心的なものだけを簡単にまとめる。
<射程距離内にあった建物を警備してなかった>
実行犯のトーマス・クルックスはトランプラリー会場の敷地内にあった「アメリカン・グラス・リサーチ社(AGR社)」が保有する倉庫のような建物の屋根からトランプを狙撃した。この建物はトランプの演台から約127メートル先にある。
狙撃手のクルックスが使用したのは、5.56ミリ弾のAR-15ライフルである。AR-15ライフルの射程距離は457メートルから548メートルである。これは非常に使いやすいライフルで、少し訓練されれば、この射程距離内であれば、光学照準器なしで的に命中させることができる。訓練されたシャープシューターであれば、1キロ先の的を約8割の確率で命中させることができる。
「シークレット・サービス」の規定(プロトコル)では、この射程距離内にある周辺の建物を完全に封鎖して、狙撃手が侵入できないようにすることになっている。屋根や屋上には「シークレット・サービス」の人員を配置し、不審者の侵入を阻止する。
しかし、クルックスがトランプを狙撃した「アメリカン・グラス・リサーチ社」の建物は、トランプの演壇からわずか127メートルしか離れていない。この建物の屋根には「シークレット・サービス」や警察は配置されていなかった。ここまでずさんな警備は、単純なミスではなく、意図的に行われたのではないかという疑念がある。
<狙撃が行われる26分前に法執行機関の狙撃手は屋根の上にいるクルックスをすでにマークしていた。クルックスは距離計を持っていたので監視対象だったが、ノーチェックとなる>
クルックスはラリーが始まる2時間前に会場でドローンを飛行させていた。それにもかかわらず、「シークレット・サービス」はクルックスをチェックしなかった。またクルックスは、会場に標的との距離を計測する距離計を持ち込んでいた。
これは金属性で会場のセキュリティーチェックに引っ掛かった。会場に入ることは許されたものの、監視対象になっていた。それにもかかわらず、「シークレット・サービス」はクルックスを見失った。
さらに、別な建物に配置されていた「シークレット・サービス」か地元警察のスナイパーは、狙撃が行われる26分前に屋根の上にいるクルックスをマークしていたものの、「シークレット・サービス」はなにもしなかった。
<警備していたのは「シークレット・サービス」ではなかった>
現場を警備していたのは、「国家安全保障省(DHS)」から出向した職員だった。7月13日当日、ファーストレディーのジル・バイデンは、午後5時から、ピッツバーグで選挙イベントを行っていた。この警護のため「シークレット・サービス」の要員は出払っており、トランプラリーの警備に回せる人員は不足していた。そのため、要人警護の経験の少ない「国家安全保障省」から要員が出向していた。
他にも膨大な情報があるが、注目されているものだけを紹介した。
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