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株価ピークから30%下落「三菱商事」は買いか?低迷要因と成長性を解説。伊藤忠商事との比較も=栫井駿介

三菱商事への投資に向かない人

三菱商事の特徴を踏まえると、三菱商事への投資に向かない人が出てくるでしょう。
もしこのような目的で三菱商事に投資しているなら一度三菱商事から離れた方が良いかもしれません。

<目先の利益を求める人>

株価が下がったからリバウンドで上がるのではないかと思っている人もいるかもしれません。
短期的にはもしかしたらあるかもしれませんが、しばらくは厳しい状況が続くのではないかと思います。

資源価格や中国経済が急に回復することは難しいでしょう。

もちろん突発的な事象で上がることはあるかもしれませんが、少なくともそういうベクトルには向かっていないので、トレンドフォロー的な投資の観点でも対象にはなりにくいと思います。
大きく上がって下がった後は、瞬間的に上がることはあるかもしれませんが、すぐまた大きく上がって戻るということはなかなかありません。

<高い成長性を求める人>

いろいろな事業に投資していて、ヘンなことにはなかなかなり得ないですが、一方で成長性は年10%未満くらいに落ち着いてくるでしょう。

長期的な成長性はROEの水準におさまってきます。

<株価変動が気になる人>

業績が資源価格に影響され、資源価格は大きくアップダウンします。
それに合わせて株価も動くことになるので、それが気になる人はあまり向かないかと思います。

こんな人は問題ない

逆にこういう人なら問題ないという人の特徴もあげてみましょう。

<配当目的の人>

今の三菱商事の配当利回りが3.9%と非常に高いです。

最近の三菱商事は配当の方針も強化していて、累進配当も掲げています。

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出典:三菱商事 決算説明資料

方針に従うなら、今投資すればほぼ4%の利回りは維持し続けられるだろうという考え方になります。

ただし、この配当方針というものは宣言したに過ぎず、法的な縛りはないのでもし業績がものすごく悪くなったら減る可能性もあるということは覚えておいてください。
ただ、そんなことをしたら市場の信頼を失ってしまうのでなかなか無いことだとは思いますが、絶対のものでもありません。

<三菱商事が大好きで仕方がない人>

三菱商事は良い会社ですし、ずっと長く持ち続けられるなら、足元では厳しいかもしれないけれども成長を続けられるという確信を持っているのであれば当然持っていて良いと思います。

逆に、株式投資、特に個別株への投資というものはそういう気持ちがないと上手くいくものではありません。
持ちたい株に該当するのであれば目を瞑って持っておく、あるいは今のタイミングで買うということがあって良いと思います。

<バフェットを信じる人>

バフェットが良いと言ったなら間違いないだろうという投資のやり方もあるかと思います。

ただ気をつけたいのは、バフェットもかなり売却を行っているということです。
直近でもAppleを一部売っています。
もしバフェットが売ったとしても、「裏切られた」と考えてもどうしようもありません。

また、バフェットが三菱商事を買ったのは割安だったからという理由もあります。
株価が上がった今、割安感があるかどうかというところもあります。
これ以上買うことはないと宣言したこともあり、売る可能性もゼロではないと思います。

バフェットの最近の動きは、後継に譲ろうとしているように見えるので、そういう意味ではまさに事業が分散していて割高でもないし配当もしっかり出している商社はうってつけの投資対象だったのかもしれません。

Next: 伊藤忠商事と比較すると?長期投資家が持つべき視点

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