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米国で急成長「ラウンドワン」が高級和食店に参入?勝算は?狙いと成功の可能性を分析=澤田聖陽

遊技施設大手のラウンドワンが、新たな挑戦に乗り出す。子会社のラウンドワンデリシャスを通じ、2025年内に米国で高級和食レストランの運営を開始する計画だ。フードコート形式で鮨や焼鳥、天ぷらなど多彩なジャンルを展開し、2030年までに全米10都市・150店舗の出店を目指す。アミューズメント事業で成長を遂げたラウンドワンは、なぜ外食事業に乗り出すのか。その狙いと成功の可能性を探る。(『 元証券会社社長・澤田聖陽が教える「投資に勝つニュースの読み方」 元証券会社社長・澤田聖陽が教える「投資に勝つニュースの読み方」 』澤田聖陽)

※本記事は有料メルマガ『元証券会社社長・澤田聖陽が教える「投資に勝つニュースの読み方」』2024年3月18日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:澤田聖陽(さわだ きよはる)
政治経済アナリスト。国際証券(現:三菱UFJモルガン・スタンレー証券)、松井証券を経て、ジャフコ、極東証券にて投資業務、投資銀行業務に従事。2013年にSAMURAI証券(旧AIP証券)の代表に就任。投資型クラウドファンディング事業を立ち上げ拡大させる。現在は、澤田コンサルティング事務所の代表として、コンサルティング事業を展開中。YouTubeチャンネルにて時事ニュース解説と株価見通しを発信している。

ラウンドワン、米国で「高級和食店」展開へ

遊技施設運営大手のラウンドワンは、子会社のラウンドワンデリシャスで2025年内に米国での高級和食店の運営を始める予定だ。

フードコート形式(複数の業態を1つの場所に集めて出店する形式)で鮨・日本料理・中華・創作(イノベーティブ)・焼鳥・天ぷらなどの組み合わせによって出店する計画である。

2030年までに10都市に150店舗(30ユニット)を出店する目標を掲げている。

ラウンドワンの現状と米国での外食事業の可能性について検証する。

ラウンドワンの現状は…

ラウンドワンの2024年3月期と2025年3月期第3四半期の決算は、以下に記載のとおりとなっている。

<2024年3月期>

売上:159,181百万円(前年同期比12.1%増)
営業利益:24,195百万円(前年同期比43.0%増)
経常利益:24,195百万円(前年同期比45.7%増)
親会社株主に帰属する当期純利益:15,666百万円(前年同期比60.9%増)

<2025年3月期第3四半期>

売上:126,637百万円(前年同期比11.7%増)
営業利益:16,089百万円(前年同期比20.5%増)
経常利益:16,400百万円(前年同期比23.9%増)
親会社株主に帰属する当期純利益:11,211百万円(前年同期比17.5%増)

前期は増収・増益、今期も増収・増益基調となっており、業績は好調だ。

米国で急成長

ラウンドワンは米国での事業を伸ばして成長している。

2024年3月期の国内事業と米国事業の売上比率は以下のとおりとなっている。

国内事業売上:979.9億円
海外事業売上:595.7億円

コロナ前の2019年3月期(5期前)の売上比率は以下のとおりである。

国内事業売上:849.7億円
海外事業売上:163.4億円

円安効果もあるが、この5年で米国事業の売上が大きく伸びていることがわかる。

「クレームゲーム」が大人気

米国ではラウンドワンのようなアミューズメント施設は少なく、特にクレーンゲームが成長を牽引している。日本アニメの認知度が高まっていることで、キャラクターぬいぐるみなどが人気となっているようだ。

米国アミューズメント店舗数は2025年1月末時点で54店舗を出店しているが、そのうち50店舗が黒字(赤字店舗は4店舗)という状況だ。

米国は人口が日本の約3倍あり、ラウンドワンが手掛けるようなアミューズメント施設はまだ少ないため、今後も出店余地は大きい。

Next: まったくの新規事業…勝算は?衰退する日本市場に居座るほうが危険

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