アトランタ連銀の予測と景気見通し
こうした状況を受けて、アトランタ連銀が発表している、GDP予測「GDPNow」では2025年第1四半期の予想値が下方修正されました。
緑の線が予想値です。

出典:Federal Reserve Bank of Atlanta「GDPNow」
これは、消費者の購買意欲低下が主な原因です。
アメリカのGDPの約7割は個人消費によって支えられているため、この個人消費の弱まりがマイナス成長予想につながっていると考えられます。
「GDPNow」は短期的に大きく変動する指標なので、過度に心配する必要はありません。
ですが、経済が弱くなっていることは確かだといえます。
アメリカはリセッション入りの可能性
現在アメリカ経済は、コロナ後の反動減がはじまっておりリセッション入りの可能性が高まっています。
主な要因としては、以下のとおりです。
- コロナ後の好景気による人手不足から人材充足へ変化
- イーロン・マスク氏主導の政府職員解雇による失業率上昇
- 住宅ローン金利の高騰による住宅や家電類などの購入減少
これらの要因から、景気後退入りが現実味を帯びてきているといえそうです。
トランプ政権下で期待された「軽微な景気減速」は実現しない可能性が高くなりつつあり、今年の株式市場は厳しい展開が予想されます。
リセッションに強い株は?
今回のリセッション時に、強さを見せる可能性がある株を紹介します。
<AI関連銘柄>
今回のリセッション時では、AI関連企業がさらに成長する可能性がありそうです。
なぜなら、経営判断としては雇用を削減し、AIに置き換えるということが合理的と考えられるからです。
また、AIが制御するロボットが人間の仕事を代替する流れからロボット関連分野も成長が期待できる産業です。
企業や管理職層は、AI活用によってコスト削減ができます。
人員削減分をAIに代替することで、人件費よりも低いコストで業務を遂行できます。
したがって、AI関連企業、特に人間の業務を代替するAIサービスを提供する企業は好調になるでしょう。
投資先としては、「マグニフィセント・セブン」と呼ばれるMicrosoft、Google、Amazonや半導体メーカーのNVIDIAなどが有望です。
これらの株価が相場全体につられて下がった場合は、積極的に買い増していくことも投資戦略としていいかもしれません。
<ディフェンシブ銘柄>
変化する分野に注目しつつ、変わらないものにも目を向けることが大切です。
投資家ウォーレン・バフェットは「変わらないものにこそ本当の価値がある」とも言っています。
たとえば、物を「作る」という基本的な工程は今後も重要です。
日用品の製造過程はAIに代替される部分があるとしても、食品、化粧品、紙おむつなどの生活必需品は常に需要があります。
特に日用品を製造している製造業は安定した需要が見込めます。
また高齢化社会においては、医療や介護分野も安定した投資先であり長期投資に適した分野といえるでしょう。