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5期連続最高益「しまむら」株は買いか?商品開発力と広告戦略から読み解く、今後の成長性と課題=澤田聖陽

しまむらは3月31日、2025年2月期の決算を発表し、売上・利益ともに前年を上回る好業績となった。特に、自社ブランド(PB)や共同開発ブランド(JB)の成長、インフルエンサーマーケティングの活用が業績を押し上げている。さらに、中期経営計画を上方修正するなど、今後の成長にも自信を見せる。しまむらの強みと成長戦略を探る。(『 元証券会社社長・澤田聖陽が教える「投資に勝つニュースの読み方」 元証券会社社長・澤田聖陽が教える「投資に勝つニュースの読み方」 』澤田聖陽)

※本記事は有料メルマガ『元証券会社社長・澤田聖陽が教える「投資に勝つニュースの読み方」』2024年4月1日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:澤田聖陽(さわだ きよはる)
政治経済アナリスト。国際証券(現:三菱UFJモルガン・スタンレー証券)、松井証券を経て、ジャフコ、極東証券にて投資業務、投資銀行業務に従事。2013年にSAMURAI証券(旧AIP証券)の代表に就任。投資型クラウドファンディング事業を立ち上げ拡大させる。現在は、澤田コンサルティング事務所の代表として、コンサルティング事業を展開中。YouTubeチャンネルにて時事ニュース解説と株価見通しを発信している。

5期連続の増収増益へ

しまむらは3月31日、2025年2月期の決算数値を発表した。数値は以下のとおりである。

売上:665,358百万円(前年同期比4.8%増)
営業利益:59,240百万円(前年同期比7.1%増)
経常利益:60,596百万円(前年同期比6.8%増)
親会社株主に帰属する当期純利益:41,885百万円(前年同期比4.5%増)

同社は2020年2月期にコロナの影響等もあり減収減益となったが、そこから2025年2月期まで5期連続で増収増益となっている。

同社の強みと今後の成長性を検証する。

しまむら<8227> 週足(SBI証券提供)

しまむら<8227> 週足(SBI証券提供)

強みは商品開発力

同社の強さだが、まずその商品開発力にある。

同社は自社開発ブランドのPB(Private Brand)とサプライヤーとの共同開発ブランドのJB(Joint Development Brand)の商品開発に力を入れている。

PBブランドとしては、主力ブランドの「CLOSSHI」と高価格帯ブランドの「CLOSSHI PREMIUM」がある。

JBブランドは、「SEASON REASON(シーズンリーズン)」「HK WORKSLONDON(エイチケーワークスロンドン)」「LOGOS DAYS(ロゴスデイズ)」などの主力ブランドがある。

2025年2月期での全体の売上高に占めるPBの比率は、前年比2.0%増加して24.3%となった。一方、JBの比率は売上高が前年比で12.1%増加し、全体の売上高に占めるJBの比率は8.4%となっている。

PB・JBを合わせた全体の売上高に占める割合は3.27%と、全体の約3分の1だ。PB・JBの商品は他の商品に比べて粗利率が高く、同社の好業績に大きく貢献している。

インフルエンサーマーケティング

同社のもう一つの大きな特徴が、インフルエンサーマーケティングだ。

しまむらと言えば、以前はテレビCMや新聞折込チラシによるマーケティングを主力としていたが、鈴木社長が2020年に就任後はネット広告に大きく移行してきた。

就任直後の鈴木社長の言葉を借りると「日本の消費傾向が変わり、これまでの大量生産・大量消費の時代が終わっていた」という認識から、テレビCMや新聞折込チラシで大量に告知する方法から、個別でアプローチしやすいネットでの広告に移行したのである。

ネット広告の中でも同社が得意とするのがインフルエンサー広告である。

Next: ただ紹介してもらうだけじゃない?しまむらのすごい広告戦略

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