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市場急拡大!半導体「先端パッケージング」関連で株価上昇が見込める日本企業4社とは=田嶋智太郎

半導体の先端パッケージング技術が注目されている。複数チップを一つのパッケージに収める技術で、AI半導体需要により市場は2030年に794億ドルに拡大予定だ。そこで今回は、先端半導体パッケージングの分野で強みを発揮するいくつかの企業を挙げておきたい。(『 田嶋智太郎の先読み・深読み!株式マーケット 田嶋智太郎の先読み・深読み!株式マーケット 』田嶋智太郎)

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※本記事は有料メルマガ『田嶋智太郎の先読み・深読み!株式マーケット』2025年9月12日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:田嶋智太郎(たじま ともたろう)
慶応義塾大学卒業後、現三菱UFJモルガン・スタンレー証券勤務を経て転身。転身後の一時期は大学教諭として「経営学概論」「生活情報論」を担当。過去30年余り、主に金融・経済全般から戦略的な企業経営、地域金融機関改革、引いては個人の資産形成、資産運用まで幅広い範囲を分析研究。民間企業や金融機関、新聞社、自治体、各種商工団体等の主催する講演会、セミナー、研修等において、累計3,000回超の講師を務めてきた。これまでに数々のテレビ番組へのレギュラー出演を経て、現在はマーケット・経済専門チャンネル『日経CNBC』のレギュラー・コメンテーターを務める。主な著書に『上昇する米国経済に乗って儲ける法』(自由国民社)などがある。

ますます注目される半導体の先端パッケージング

今週10日、半導体の国際展示会「セミコン台湾」が台北で開幕した。来場者の関心を集めたのが半導体の組み立て工程(後工程)の技術。これまで脚光を浴びることが多くなかった工程だが、半導体の性能を高める上で重要だとして各社は最新技術を競っている。

なかでも、とくに注目を集めているのが「先端パッケージング」と呼ばれる技術。複数のチップを1つのパッケージに収めて効率よく動作させる技術のことで、これまでは1つのチップを1つのパッケージに収容する手法が一般的だったが、現在は先端パッケージングが主流になってきている。この技術によって演算や記憶、通信など多彩な機能が担えるようになり、AI半導体向けの需要として拡大している。

フランスの調査会社ヨールによると、先端パッケージングの市場規模は2030年に794億ドル(約12兆円)にのぼる。24年と比べて1.7倍に増えるとの見通し。今セミコンでは、直径300ミリの基板を丸ごと使って演算や記憶などの機能を持つチップを1つにパッケージングする技術などを紹介する台湾TSMCをはじめ、チップを垂直に積み重ねる「3DIC」など先端パッケージングの関連技術が展示されているという。

そこで今回は、先端半導体パッケージングの分野で強みを発揮するいくつかの企業を挙げておきたい。

富士フイルムホールディングス<4901>

今回の「セミコン台湾」に9年ぶりに出展し、先端パッケージングに使う樹脂材料や放熱材などの技術を展示。担当者は「(既存の)前工程向け材料のノウハウを生かしてワンストップのソリューションを提供する」としている。

同社は、半導体事業の拡大を成長の柱に据え、31年3月期に半導体事業売上高を25年3月期の2倍になる5,000億円に引き上げる目標。なかでもEUVレジストなどの先端品は売上高を4倍に伸ばし、シェアを8%から20%に高める方針を掲げている。

26年3月期は、売上高が前期比2.6%増の3兆2,800億円、営業利益は同0.3%増の3,310億円、純利益は同0.4%増の2620億円と過去最高益を更新する見通し。

富士フイルムホールディングス<4901> 週足(SBI証券提供)

富士フイルムホールディングス<4901> 週足(SBI証券提供)

9月1日、SMBC日興証券は同社株の投資判断を強気に据え置いたうえで、目標株価を4,000円から4,400円に引き上げている。足元の株価は、本日(12日)の取引時間中に年初来高値を更新している。

キヤノン<7751>

今回の「セミコン台湾」では「インターポーザー(中間基板)」と呼ばれる新たな層を形成するために必要な露光装置を紹介。この層に配線を形成するために、これまで前工程で使われてきた同社の露光装置が使える。先端装置はオランダASMLホールディングに独占されて久しいが、AI向け半導体のブームに伴い、新しい用途で従来型の装置に再び脚光が当たっている。

ASMLは最先端技術が必要とされる前工程向けに経営資源を集中させているが、同社は大手半導体メーカーの後工程向け露光装置を押さえており、TSMCも後工程ではキヤノンを頼る。7月には21年ぶりとなる露光装置の新製造棟を栃木県に開設している。

25年12月は、売上高が前期比2.0%増の4兆6,000億円、営業利益は同64.4%増の4,600億円、純利益は同106.2%増の3,300億円と大幅増益を見込む。

キヤノン<7751> 週足(SBI証券提供)

キヤノン<7751> 週足(SBI証券提供)

株価は7月下旬以降持ち直しの動きを見せており、足元の予想PERは11倍台、予想配当利回りは3.6%台と割安感が漂う。

Next: まだある半導体「先端パッケージング」で注目される企業、投資するなら?

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