スズキ<7269>
インド自動車工業会(SIAM)が先週14日に発表した10月の乗用車販売台数(出荷ベース)は46万739台で前年同月より17%増。9月下旬から始まった減税の効果が月間を通じて反映された。
最大手のマルチ・スズキは17万6,318台で11%増。11月2日には、インドの四輪車販売が累計3,000万台を突破したと発表している。累計3,000万台の達成は日本(25年3月に達成)に続き2か国目。日本では軽自動車の規格で販売される「アルト」や「ワゴンR」がけん引する。
インドは、自動車普及率が人口1,000人あたり約33台といまだ低水準であり、今後の拡大余力は計り知れないほど大きい。また、同社は期初時点で世界景気の減速懸念などの事業リスクとして400億円程度を織り込んでいたが、当初想定ほどの影響は出ないとみて、先に影響額を200億円程度に引き下げている。
26年3月期は、売上高が前期比4.7%増の6兆1,000億円、営業利益は同22.2%減の5,000億円、純利益は同23.1%減の3,200億円を見込んでいるが、2Q時点の進捗率は営業利益で55.3%、純利益で68.4%に達している。

スズキ<7269> 日足(SBI証券提供)
株価は10月下旬に上場来高値を更新し、以降も玉撮りでもみ合う展開。足元の予想PERは14倍前後で、最終的な上ブレ着地を前提とすれば割安水準にあると言える。
アシックス<7936>
同社は、インドにおける売上高について「2026年は約140億円まで拡大したい」としている。
25年のインドでの売上高は100億円を達成する見込みであり、それをさらに広げる。インドでは高所得層の増加とともに付加価値のあるシューズへの需要が拡大。同社は現在、インドにおいてアシックス製品と高級ブランド「オニツカタイガー」の製品を扱う専売店を併せて143店舗展開しているが、これを30年までに約300店舗に倍増するという。
足元は、インバウンド(訪日外国人)らに人気の高級ブランド「オニツカタイガー」が堅調に推移し、ランニングシューズも大きく伸びている。そこで、先週12日には2025年12月期の連結純利益が前期比41%増の900億円になる見通しだと発表。最高益を見込んでいた従来予想から30億円も上方に修正した。来期についても、26年春夏の大手卸からのプレオーダー(予約注文)が前年同期より2~3割増えているという。

アシックス<7936> 日足(SBI証券提供)
株価は8月19日に上場来高値を更新して以降、調整含みの展開を続けている。足元では3,500〜3,600円処の節目まで値を下げてきており、そろそろ反発機運が強まってきておかしくない。
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『
田嶋智太郎の先読み・深読み!株式マーケット
田嶋智太郎の先読み・深読み!株式マーケット
』(2025年11月21日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による