fbpx

米国株から逃げると損をする?金・新興国・日本株よりも強い本当の理由=鈴木傾城

現在、AI関連の設備投資が過剰ではないかとの懸念から、株価が伸び悩んでいる。だが、逆にこの設備投資が整って利益を刈り取る段階になると、もはや他国が追いつけないレベルで米国株は独占的になる可能性もありえる。

イノベーションのほとんどは「米国が吸い取っている」のだ。

そういうのを無視して、「FRBのドーピングで上がっているだけ」と考えるのは、あまりにも本質から外れている。もともと上がる要素がある企業が、金融緩和でますます上がっているのが現状なのだ。

私自身はすでに米国株を2025年あたりからほとんど買わなくなってしまっている。なぜなら、金融緩和によって「よけいに上がってしまったから」で、米国株に見切りをつけたからではない。上がりすぎて買えなくて困っているのだ。

そういう意味でFRBの金融緩和は市場をゆがめたものであり、むしろ長期投資家にとっては悪影響があったとも言える。この悪影響が払拭されて(つまり株価が下落して)、安くなったらよろこんで米国株を買い始める。

集中は固定ではないということを忘れるな

ちなみに、「米国株は一部の巨大企業に偏りすぎているから危険だ。もう限界だから逃げたほうがいい」という主張も広がってきている。

たしかに2024年時点でS&P500の上位10社が指数全体の約30%を占めている。アップル、マイクロソフト、エヌビディアなどの時価総額は数兆ドル規模に達している。この数字だけを見ると、偏りが大きいと感じるのは自然である。

だがこれらの企業群は、なぜそこまで評価されているのか。

それはこれらの企業が世界中で製品やサービスを提供し、売上の多くを安定的かつ継続的に得ているからだ。「世界中で」という部分が重要だ。たとえばアップルの売上の半分以上は米国外である。

つまり投資家は、米国株に投資しているつもりでも、実際には世界経済全体の成長を取り込んでいることになる。オルカンなんか買わなくても、アップル自体が「世界」なのだ。

さらに、これらの巨大ハイテク企業群は高い利益率と安定した現金収入を持つ。

2024年の主要テクノロジー企業の営業利益率は30%前後に達している。これは製造業平均を大きく上回る水準である。利益率が高い企業に資金が集まるのは市場として自然な動きだ。成績の良い企業の比率が高くなることを、ただちに異常と決めつけるのは合理的ではない。

そもそも、米国市場は入れ替わりが激しい。過去30年でS&P500の構成銘柄の多くが入れ替わっている。強い企業が残り、弱い企業は退場する。この循環が続いていることが、指数全体の成長を支えている。

集中は固定ではない。勝者が変われば比率も変わる。偏りが危険なのではなく、競争が止まることが危険なのだ。米国市場では競争が止まっていないのである。

Next: 「勝ち続けるためには米国株からは離れるな」

1 2 3
いま読まれてます

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

MONEY VOICEの最新情報をお届けします。

この記事が気に入ったらXでMONEY VOICEをフォロー