<3. 開発型ビジネス>
開発型ビジネスは、今四半期の全社増益を最も大きく牽引したセグメントである。
仲介・不動産事業は、売上高857億円(7.4%増)、営業利益91億円(35.9%増)、営業利益率は8.4%から10.6%へ改善した。
重点エリアでの優良不動産の仕入れ・販売強化、および賃貸不動産売却が増益に寄与している。
マンション事業は、グラングリーン大阪 THE NORTH RESIDENCEの引き渡しが大きく寄与し、売上高468億円(130.1%増)、営業利益158億円(528.4%増)、営業利益率は33.9%に達した。
戦略エリアへの集中展開とブランド強化により販売も好調を維持している。
都市再開発事業も、プライムメゾン5物件等の売却が寄与し、売上高356億円(54.4%増)、営業利益96億円(130.3%増)、営業利益率は27.0%に上昇した。
開発型全体では営業利益346億円となり、前年同期比で大幅な伸びを記録している。
なお、同事業はマンションおよび都市再開発は大型案件の引き渡し・売却タイミングにより四半期ごとの振れが大きい点には留意が必要である。
<4. 国際事業>
国際事業は、唯一明確な重しとなった領域である。
では売上高2,206億円(14.4%減)、営業損益は42億円の赤字となり、前年同期の48億円黒字から大きく悪化した。
主因は米国戸建住宅事業の不振である。
同事業は、売上高1,937億円(18.7%減)、営業損益98億円の赤字となった。
会社は、市場回復の遅れに加え、期初受注残高の減少、利益率とのバランスを取った販売、および完成在庫中心の販売による利益率低下を背景として挙げている。
引き渡し戸数は2,176戸(前年同期比593戸減)、受注戸数は3,018戸(同629戸減)と数量面の落ち込みが大きい。
一方で、海外事業のすべてが不振というわけではない。米国コミュニティ開発事業は売上高147億円(17.8%増)、営業利益45億円(16.6%増)と増収増益であり、米国賃貸住宅開発事業もリーシングが堅調で増益を確保した。
シンガポール事業も持分法投資利益が拡大し、全社の営業外収支改善にも寄与している。
したがって今四半期の海外不振は、実質的に米国戸建事業に集約された課題である。
会社はOne Company体制のもと、BTO(Built to Order)への移行および統合効果によるコスト削減を進める方針を示しており、今後の最大の注目点はこの米国戸建事業の回復時期である。
財務・キャッシュフローおよび通期計画
財務面では、自己資本比率は前期末42.7%から43.6%へ改善し、健全性を維持している。
有利子負債は1兆9,069億円、D/Eレシオは0.88倍で横ばいとなった。
営業キャッシュフローは613億円のマイナスであったが、前年同期の1,623億円マイナスから大幅に改善しており、棚卸資産の積み上がりペースも落ち着いてきている。
また、経常利益・純利益の大幅増益には、営業外収支および特別損益の押し上げ効果も寄与している。
具体的には、円安進行による為替差益、シンガポール事業の持分法投資利益増加、ならびに投資有価証券売却益106億円の計上が確認できる。
したがって、利益成長の評価にあたっては、営業利益ベースでの実力分と、金融・資産売却要因による寄与分とを分けて捉える必要がある。
通期計画は据え置きとなった。会社は売上高4兆3,530億円、営業利益3,500億円、純利益2,180億円を維持しており、その理由として中東情勢の緊迫化に伴う一部住宅資材価格上昇等の不透明要因を挙げている。
1Q時点での好調な滑り出しにもかかわらず計画を据え置いた背景には、経営陣の慎重姿勢があるとみられ、裏を返せば2Q以降に上振れ余地を残している可能性もあるだろう。
なお、1株当たり年間配当金は145円を予定しており、15期連続の増配となる見通しである。
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