「ふるさと住民登録制度」がいよいよ本格運用へ
高橋社長は関係人口について、「最初は全然社外に伝わらなかった。だけどね、寝言も言い続ければ現実になる」と話しました。
現在では関係人口が国の政策にもなり、自治体や行政の関係者によく知られる言葉として定着しています。
この関係人口をさらに浸透させるために、高橋社長は、可視化・制度化を目指してきました。
そして、それが1つの実を結びます。
2025年6月13日に、政府は「ふるさと住民登録制度」の創設を閣議決定。
住所地以外の地域に継続的に関わる人を「ふるさと住民」として登録し、関係人口を可視化する仕組みです。
制度実現の経緯や今後期待される動きについて、お話をうかがいました。
<ダメ元の行動が「ふるさと住民登録制度」を実現させた>

「ふるさと住民登録制度」が創設に至った背景には、高橋社長の働きかけがありました。
高橋社長は、能登の被災地に視察に訪れた石破前総理をアテンドした際に、手紙を渡しました。
高橋氏「新しい地方創生を考える民間の会議が立ち上がる時に、僕は直談判して、『委員にしてくれ』って、総理に手紙を渡したんですよ。
もしそれを渡していなかったら選ばれていない。ダメ元ですよ、こんなの」
高橋社長は、石破前総理の指名を受けて地方創生に関する有識者会議の委員に選ばれました。
そして会議にて、関係人口を可視化するふるさと住民登録制度の重要性を訴えかけ、制度実現にまでつながりました。
高橋氏「僕は、思ったことは考えずに全てやる。そうやって生きてきました。
条件や環境が整ってからやるって言っていると、気づいたら歳をとっていたということになりかねません。
それは非常に怖いことだと思っています」
きこ「実は私も夢だったことを、やりたいってダメ元でずっと発信していたら、最近お話がきて、実現しそうなんですよね」
高橋氏「すごい。ダメ元、大事なんですよ。
誰が見ているかわからないし、思いついたら発信しないと届かないです」
きこ「おっしゃる通りだと思います」
ふるさと住民登録制度は、アプリで関心のある地方自治体を登録し、登録した地域に関する情報を受け取れる仕組みです。
さらに、年3回以上、地方自治体が指定する担い手活動に参加すれば、プレミアム登録者として、交通費や宿泊費の補助など、担い手活動のためのサポートが受けられます。
<10年で延べ2000万人のふるさと住民登録に関与する>
政府は、このふるさと住民登録者数について、実人数で1,000万人を目標に設定。
複数の自治体に登録してもらい、延べ1億人に到達させるとしています。
雨風太陽社はそのうち20%にあたる「年間200万人、10年で延べ2,000万人」のふるさと住民登録への関与を中期の目標として打ち出しました。

出典:事業計画及び成長可能性に関する説明資料(2026.3.27) P8 – 株式会社雨風太陽
具体的に、どう関与していくのでしょうか。
権藤氏「僕らは今、自治体事業をやっています。
アイデアがないとか、実行するときの手数が足りないとか、そういうところをサポートしているわけです。
制度が本格運用となれば、これから1,700以上ある自治体で、それぞれ何をどうやろうかという課題が出てくると思っています。
それを僕らが事業として、お金をいただきながらサポートしていきます」
すでに福島県磐梯町では、3,000人規模の小さな町で「ふるさと住民票」アプリを先行的に立ち上げ、ファンイベントの東京開催などを同社が伴走支援した実績があります。
権藤氏「来年頭ぐらいから制度がスタートするんですけど、本格的にどうやろうかと、みなさんすごく悩んでいます。
話を聞いていると、これから僕らの市場が伸びていくんだろうなと手応えを感じます」
高橋氏「みんな興味はあるんですよ。
どこの自治体も籠城戦をやっていて、もう落城寸前。
それでは忍びないので、城の価値を理解してくれる外の人も招き入れて、戦いを続けようと、みんなが思っています。
あとはどうやってやればいいかわからないところが多いので、一緒に考えてやっていこうとしています」
<ポケマルとおやこ地方留学は「パスポート」になる>
加えて、産直アプリ「ポケットマルシェ」や「ポケマルおやこ地方留学」は、地方への入口を提供する「パスポート」になると高橋社長は話します。

出典:事業計画及び成長可能性に関する説明資料(2026.3.27) P21 – 株式会社雨風太陽
高橋氏「観光に行っても、地域への関わりまではなかなかできません。
ポケットマルシェでは美味しいものを探して、旬の食材を見つけていく過程で、『静岡県のなんとかさんが作っているいちご』というような形で、その人の顔が見えます。
そして生産者とコミュニケーションができます。
そうすると、その人を通じて地域も好きになったら、そこに住民登録をする気持ちになるじゃないですか。
ポケマルおやこ地方留学の場合には、生産現場に子供と実際に足を運び、共感が生まれて、この地域にもっとコミットして関わりたいなと思う人も出てきます。
僕らは楽しいこと、美味しいことを通じて、まずパスポートを渡すから、そこから皆さんがふるさと住民登録をする地域を選んでいけば良いと思っています。
自治体事業で伴走を支援しながら、パスポートを持った人たちが地域に着地していくと良いなと」
きこ「自治体側と消費者側、両方からアプローチしていくんですね」
高橋氏「そういうことです。
災害があると関係人口は勝手に増えるんですよ。
だけど、災害がないと、地域に関わって困りごとにコミットするということは、なかなか起きません。
だから、平時にどうやって地域が関係人口を増やしていくのか。
ここが最大の課題だと思っています」
制度の後押しもあって、「年に数回は地方に滞在し、地域活動の担い手に。普段はポケットマルシェを通じた食材購入・コミュニケーションで生産者とつながる」ライフスタイルを送る人が増加すれば、雨風太陽社の事業にとっても、大きな追い風となるはずです。

出典:事業計画及び成長可能性に関する説明資料(2026.3.27) P7 – 株式会社雨風太陽