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半年で株価3倍「村田製作所」まだ買いか?海外勢が注目する3つの理由と投資リスク=元村浩之

<次世代デバイスの可能性>

さらにその先には、「フィジカルAI」や「AIOT(あらゆるモノにAIが宿る)」の世界が待っています。
ロボティクス分野はもちろん、最近注目されているメガネ型ディスプレイ(スマートグラス)などの新領域も有望です。

スマートグラスのようなデバイスは、限られた小さな筐体の中で高度な処理を行い、かつバッテリー駆動で繊細に電気を制御しなければなりません。
こうした「極めてデリケートな電気調整が必要な小型端末」が増えれば増えるほど、村田製作所のMLCCは必要不可欠な存在となります。
かつてIoTと呼ばれた概念が、今まさにAIの力を借りて実用化フェーズに入っており、あらゆるモノが電気で制御される未来は、そのまま同社の市場拡大に直結しているのです。

リスクとバリュエーション

もちろん、バラ色の未来だけではありません。
株式投資家として冷静に見るべきリスクも存在します。

まず一点目は、データセンターの設備投資への依存度が高まっていることです。
ハイパースケーラーと呼ばれる巨大IT企業の投資姿勢が変化すれば、現在の高い成長率が剥落するリスクは常に付きまといます。

二点目は競合他社の追い上げ、特に中国勢の脅威です。
彼らは国策としてこの分野を強化しており、AIを駆使した材料研究などで猛烈にキャッチアップしてくる可能性があります。
現在は信頼性の壁に守られていますが、コスト競争力の高い中国企業が台頭してくれば、将来的な脅威になることは間違いありません。
また、現在のPER(株価収益率)は約60倍に達しており、これは同社の実績を遥かに上回る「将来への期待値」が既に株価に強く反映されていることを示唆しています。

まとめ

村田製作所について抑えておくべきポイントは3つに集約されます。

第1に、AIサーバーとデータセンターの爆発的な普及により、MLCCの需要がかつてない規模で増大していること。
第2に、その強みの源泉は他社が容易に真似できない「ブラックボックス化されたレシピ」と垂直統合された製造プロセスにあること。
そして第3に、MLCCの未来はAIサーバーに留まらず、自動車の電動化や次世代AIデバイスへと無限の広がりを見せていることです。

足元の株価は期待値先行で過熱気味に見える側面もありますが、同社が世界のデジタル・インフラを支える「かけがえのない存在」である事実に変わりはありません。
一時的なトレンドに惑わされることなく、この技術のすごみと長期的な需要の波を冷静に見極めることこそが、村田製作所という素晴らしい企業と向き合う投資家にとって最も大切な姿勢と言えるでしょう。

YouTubeでも詳しく解説しておりますのでそちらもぜひご覧ください。


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image by:yu_photo / Shutterstock.com
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バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 』(2026年6月17日号)より※記事タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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【毎日少し賢くなる投資情報】長期投資の王道であるバリュー株投資家の視点から、ニュースの解説や銘柄分析、投資情報を発信します。<筆者紹介>栫井駿介(かこいしゅんすけ)。東京大学経済学部卒業、海外MBA修了。大手証券会社に勤務した後、つばめ投資顧問を設立。

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