大和ハウス工業の株は買いなのか
現時点での指標は、PER約12.5倍、PBR1倍割れ、配当利回り約3.84%でした。
数値だけを見れば、株価には一定の割安感があります。
しかし、低いPERやPBRだけを理由に買うのは慎重であるべきです。
現在は、外部環境の悪化によって将来の利益が下振れする可能性があり、販売用不動産の増加もリスク要因となっています。
利益が下がれば、現在のPERも割安とはいえなくなるからです。
一方で、表面上の34.9%減益は特殊要因の反動を大きく含んでおり、今期の本業が一気に3割以上悪化するという意味ではありません。
LOCシステムを基盤とした競争力や、データセンター・半導体工場の成長可能性も評価すべきでしょう。
現時点では、割安さだけで積極的に買い向かうより、延期された中期経営計画と今後の四半期決算を確認しながら慎重に判断する局面と考えます。
まとめ
大和ハウス工業の今期営業利益は前期比34.9%減となる見通しですが、前期には数理差異と米国での大型土地売却という大きな特殊要因がありました。
これらを除けば、前期の実質的な営業利益は約4,073億円、今期予想は4,000億円であり、ほぼ横ばいです。
ただし、特殊要因を除いた本業の利益は、その前の期からすでに減少していました。
金利上昇、建設費高騰、工期遅延、販売用不動産の増加など、事業環境の悪化を示す材料も少なくありません。
大和ハウス工業には、全国の土地オーナーと企業を結びつけ、企画から建設まで一貫して担う強い事業基盤があります。
データセンターや半導体工場も将来の成長材料です。
しかし、その強みが実際の利益成長につながるかを見極めるには、今後の中期経営計画と在庫・財務の動向を確認する必要があります。
見た目の減益率だけで悲観せず、低いバリュエーションだけで楽観もしないことが大切です。
特殊要因を取り除いた収益力と、資産・負債の変化を丁寧に追うことが、大和ハウス工業への投資判断のポイントとなるでしょう。
※上記は企業業績等一般的な情報提供を目的とするものであり、金融商品への投資や金融サービスの購入を勧誘するものではありません。上記に基づく行動により発生したいかなる損失についても、当社は一切の責任を負いかねます。内容には正確性を期しておりますが、それを保証するものではありませんので、取り扱いには十分留意してください。
『 バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 』(2026年7月22日号)より※記事タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
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【毎日少し賢くなる投資情報】長期投資の王道であるバリュー株投資家の視点から、ニュースの解説や銘柄分析、投資情報を発信します。<筆者紹介>栫井駿介(かこいしゅんすけ)。東京大学経済学部卒業、海外MBA修了。大手証券会社に勤務した後、つばめ投資顧問を設立。