■グリムス<3150>の業績動向
1. 2026年3月期の業績概要
2026年3月期における経済環境は、雇用・所得環境の改善や、設備投資に持ち直しの動きがみられるなど、景気は緩やかに回復しているものの、中東情勢の長期化懸念や原材料価格の上昇など、先行き不透明な状況が続いた。こうした経済環境の中、同社グループでは、事業用太陽光発電システムを成長の主軸として経営資源を集中し、販売を拡大した。電力小売については、低圧電力における独自燃調の運用や高圧電力における市場価格連動型契約の促進による電力調達価格変動リスクの低減といった取り組みによるリスクヘッジの徹底を行い、安定的なストック収益基盤として、契約口数の増加を図った。
以上から、2026年3月期の連結業績は、売上高33,936百万円(前期比1.8%増)、営業利益7,152百万円(同10.0%増)、経常利益7,289百万円(同9.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益4,896百万円(同7.4%増)と増収増益決算となった。売上高、営業利益及び当期純利益は、いずれも過去最高を更新する好決算であった。この結果、営業利益率は前期の19.5%から21.1%に上昇した。営業利益率の上昇は、売上総利益が販管費の増加を大幅に上回り、営業利益が増加したためである。なお、エネルギーソリューション事業では、一般消費者向けの住宅用太陽光発電システム・蓄電池の販売については、大型商業施設での催事費用の増加などから収益性の低下が見込まれることから、今後は一般消費者向け販売を縮小するため、営業人員の退職費用や事務所縮小の減損などの事業構造改善費用111百万円を特別損失に計上している。
売上高は期初予想比5.2%減であったものの、営業利益は同0.0%増、経常利益は同1.3%増、当期純利益は同0.6%増と、各段階の利益は概ね予想どおりに着地した。これは、エネルギーソリューション事業が好調だったことから、バックオーダー※を翌期に繰り越したためである。このような好決算は、同社グループが事業環境の変化に機動的に対応することで、安定的に高い利益を確保できることを示している。
※ 収益認識未済で、まだ売上計上していない受注残。
2. セグメント別の動向
エネルギーソリューション事業では、電力の自家消費による電力コスト削減を提案する事業用太陽光発電システムや蓄電池を主力商材として販売し、また、事業者のコスト削減のための商品・サービスを販売した。系統用蓄電所については、1基目となる伊賀バッテリーパークが2026年3月より卸電力市場にて運用を開始している。その結果、同事業の売上高は14,693百万円(前期比5.4%増)、営業利益(全社費用控除前、以下同)は5,032百万円(同11.0%増)で、営業利益率は34.2%(同1.7ポイント上昇)となった。
エネルギーソリューション事業売上高の前期比754百万円増は、事業用太陽光発電システムが同1,400百万円増の一方、一般消費者向け販売の縮小方針により住宅用太陽光・蓄電池が同791百万円減などによる。また、営業利益の同498百万円増は、事業用太陽光発電システムの同665百万円増が主因である。また、期初計画との比較では、売上高の計画比653百万円減は、バックオーダーの翌期繰り越しによる事業用太陽光発電システムの同559百万円減等による。営業利益の同126百万円減は、省エネ設備等が同252百万円増の一方、前述の理由による事業用太陽光発電システムの同588百万円減等によるものだ。
小売電気事業では、契約口数が前期末に比べて約1万口増加し、電力市場価格の低下や容量市場拠出金の負担軽減に伴う顧客転嫁額の減少により売上高は減少したが、同様の影響で売上原価はそれ以上に減少したため、利益は増加した。その結果、売上高は19,242百万円(前期比0.8%減)、営業利益は2,886百万円(同3.1%増)で、営業利益率は15.0%(同0.7ポイント上昇)であった。
小売電気事業売上高の前期比158百万円減は、電力市場価格の低下及び容量拠出金の減少によるが、同様の理由で営業利益は同87百万円増となっている。期初計画との比較では、売上高の計画比1,226百万円減は、電力市場価格及び販売量の低下により、同様の理由で営業利益は同37百万円減となっている。同事業は電力市場価格といった外部要因の影響を受けることから、電力調達価格の上昇に対する十分なリスクヘッジ施策の効果により、安定的なストック収益基盤としている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
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