■ファブリカホールディングス<4193>の事業概要
1. セグメント情報
同社は、法人向けSMS配信サービス「メディアSMS(現 オーロラSMS)」と、自動車販売業務支援システム「symphony販売管理」を主軸に、顧客の業務効率向上に資するサービスの提供に取り組んでいる。セグメントは、2026年3月期において「ビジネスコミュニケーション事業」「オートモーティブプラットフォーム事業」「AI事業」※「オートサービス事業」の4つに分かれている。
※ 2027年3月期より、AI事業をビジネスコミュニケーション事業に統合するセグメント区分の見直しを実施した。
2. ビジネスコミュニケーション事業
「ビジネスコミュニケーション事業」は、子会社であるメディア4uを中心に展開している法人向けのSMS配信サービスの提供のほか、EC特化型CRMプラットフォーム「アクションリンク」を展開している。法人向けSMS配信サービスは、顧客である企業や自治体などに対しインターネットを通じてSMS配信機能を提供し、SMSの配信数に応じて課金する従量課金での売上が主な収益となっている。
最近では、電話(音声電話)の接続率が低くなっていること、ダイレクトメール(DM)や、封書・ハガキの開封率が低くなっていることもあり、SMSは企業や自治体とエンドユーザーを結ぶ強力なコンタクトツールとして市場認知が高まっている。SMSの利用用途は本人認証・業務連絡・督促・事前連絡・プロモーション・アンケート・決済など多岐にわたる。また、同社グループの配信数における本人認証の割合は約2割で、付加価値が高いとされる業務連絡・督促・事前通知で約7割を占め、国内法人市場において配信数はトップシェアを占め、なおかつ競合他社比で高い収益性が同社の強みとなっている。顧客それぞれのニーズに沿った導入支援・コンサルティングを含めたサービス体制によって、さらなる市場シェアの拡大を目指す。
日本における国内独立系アグリゲーターSMS送信サービス市場は配信数ベースで約42億2,000万通(2026年3月期時点)だが、同社によると2030年には約142億通の市場規模が見込まれており、年率24%以上の高成長が見込まれる市場である。国内における主要なサプライヤーも同社を含め4社寡占となっており、今後も業界のリーディングプレイヤーとして市場拡大の恩恵を最大限に享受できるだろう。
SMS配信サービスの強みは、ほぼすべての携帯電話にメッセージを配信できることである。SMS配信サービスを運営するにあたり、主要な携帯電話事業者((株)NTTドコモ、ソフトバンク<9434>、KDDI<9433>、楽天モバイル(株))との直接接続により、99%という非常に高い到達率とサービス品質を実現している。2026年5月から法人向けコミュニケーションサービス群を新ブランド「オーロラX」に刷新した。新ブランド傘下では、従来の「メディアSMS」を継承した「オーロラSMS」をはじめ、AIを活用した自動応答・要約サービス「オーロラIVR」や音声AIエージェント「オーロラAI Call」などを展開し、企業の顧客コミュニケーションの最適化を推進している。早期から「長文化SMS(最大670文字)」に対応したほか、「双方向サービス」「他人接続判定機能」「決済サービス連携」といった豊富な追加機能を有しており、本人認証以外の多様なニーズに応えられる体制を構築している点が、業界のリーディングプレイヤーとしての地位を揺るぎないものにしている。また、本事業に含まれる「アクションリンク」は、蓄積されたデータを活用して顧客一人ひとりに最適なメッセージ配信を自動化するCRM・MAツールであり、EC通販のリピート売上最大化を支援している。同サービスは、ITreviewのCRMツールカテゴリーにおいて満足度No.1を獲得するなど、高い評価を得ている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 星 匠)
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