■DAIKO XTECH<8023>の事業概要
3. 事業区分
(1) 重点ソリューション
同社が企画開発や市場戦略の機能を持ち、同社のエンジニアが付加価値を付けることが可能で、戦略的に育成・拡販を行う領域である。また、自社ソリューションやエンジニアが付加価値を付けたサービスが含まれ、高い収益性が期待できる。
重点ソリューションは、成長フェーズに応じてさらに「既存ソリューション領域」と「シン・ビジネス領域」の2つに分類され、自社ソリューションを中心に展開している。同社は重点ソリューションの推進に向けて、営業やSEなど一部の人員を集約し、ビジネスクエスト本部内に製販一体のチームを構築している。なお、同社の自社ソリューションは、2025年9月にM&Aによって獲得した「BULiT Application AS(ブリットアプリケーションエーエス)」改め「D-PaSS(ディーパス)」が加わったことで、現在は8製品のラインナップとなっている。
a) 既存ソリューション領域
インダストリー、業務、セキュリティ、ペーパレスの4つのソリューション分野に区分されており、差別化が可能なサービスやエンジニアの専門性による付加価値の高いサービスが含まれる。
(インダストリーソリューション分野)
製造業向けには、部品表(BOM)を基盤に「モノと情報」を一元管理するハイブリッド型生産管理システム「rBOM」を提供しており、200社超の利用実績がある。設計から製造、販売までを一括管理できる点が特長であり、統合BOMによるリードタイムの短縮やPDM(製品情報管理)連携による運用負荷の軽減、運用コストの削減を実現している。さらにこの分野においては、2025年9月のM&Aによって獲得した自動車部品サプライヤー向け統合生産管理パッケージ「BULiT Application AS(現 D-PaSS)」をラインナップに加えている。これにより、モビリティ業界特有の生産管理課題に対して、より高い付加価値を提供できる体制が整っている。
(業務ソリューション分野)
業務ソリューション分野では、会計や人事給与のソリューションを提供している。これらは最新の制度改正への対応にとどまらず、最新の業務トレンドを取り込むことで、顧客の業務効率化と価値創造を支援している。会計ソリューション分野においては、新リース会計基準への対応として、国際会計基準の改定に伴うリース取引の適正な会計処理を実現している。同時に、企業の開示義務に対応したソリューションを提供することで、顧客のコンプライアンス体制を強化している。また、企業の財務状況や取引の透明性を高めるための会計情報の可視化を推進し、経営判断の質を向上させるサポートも行っている。人事給与ソリューション分野では、Web給与明細や年末調整業務などを電子化するクラウドサービス「i-Compass」を展開しており、既に約790社、82万IDに及ぶ利用実績を持つ。このサービスは、従来の紙の明細をパソコンやモバイル端末で閲覧できるようにするものであり、既存のレイアウトのまま画面表示できる柔軟性を備えている。これにより、用紙や印刷作業の削減、さらには配布業務の大幅な効率化を支援している。さらに、多様化する働き方や人材管理に対応し、従業員のスキルやパフォーマンス情報を活用した人的資本の経営戦略を支援するサービスも提供している。加えて、労働安全衛生法の改正に伴うストレスチェック制度の義務化に対応した人事評価・管理システムを提供しており、従業員の健康管理を効率的にサポートする体制も整えている。
(セキュリティソリューション分野)
顧客の情報資産を守るため、同社は情報セキュリティを強化するための包括的なセキュリティソリューションを提供している。あわせて、各業界のガイドラインに準拠した形でセキュリティアドバイザリ活動を推進している。特に、現代の高度化・複雑化するサイバー攻撃に対応するためのエンドポイントセキュリティに注力しており、パソコンやサーバーにおける不審な動作をリアルタイムで検知し、迅速な対応を可能にするソリューションを展開している。具体的には、ゼロトラスト型エンドポイントセキュリティ製品である「AppGuard(アップガード)」を中心に、専門家によるITコンサルティングサービスを組み合わせた多層的な対策を提供している。「AppGuard」は、従来のウイルス定義ファイルに依存することなく、OSに対して有害な挙動を直接検知して攻撃を事前にブロックする特許技術を備えている。これにより、従来の対策では防ぎきれなかった未知のマルウェアに対しても、高い防御力を発揮する点が大きな特徴である。また、機密情報の漏洩防止を目的とした高度な暗号化技術を導入している。情報資産の保護と企業のコンプライアンス対応を強力にサポートすることで、内部からの漏洩や外部攻撃によるリスクを低減するファイル・データベースの暗号化を実現している。さらに、セキュアなクラウドアクセスとネットワークの一体化を叶えるSASE(Secure Access Service Edge)と、多層的な脅威管理を行うUTM(Unified Threat Management)を組み合わせた「SASE + UTM」ソリューションにより、柔軟かつ高度なセキュリティをクラウドベースで提供することが可能となり、働き方の多様化やテレワーク需要にも柔軟に対応している。
(ペーパーレスソリューション分野)
企業間取引や社内業務のデジタル化を推進する製品群として、同社は複数のソリューションを展開している。まず、調達支援システムである「PROCURESUITE」は、購買情報の一元化と可視化を通じて、業務負荷や非効率を解消するものである。既に約100社が導入しており、顧客企業がつながるサプライヤー数は約15,000社に達している。高い技術力を持つ協力企業からのOEM提供を受けてラインナップを拡充しており、今後の導入企業数のさらなる増加が期待されている。また、クラウド型Web-EDI(電子データ交換)サービス「EdiGate POST」は、注文書の発行や納期回答といった一連の業務を効率化するソリューションである。こちらは約200社に利用されており、紐づくサプライヤー数は約31,600社に上る。このほかにも、電子帳簿保存法に対応した文書管理システム「EdiGate DX-Pless」や契約書の作成・承認・保管にいたるプロセスを電子化する「DD-CONNECT」も提供している。同社はこれらのラインナップを通じて、企業のペーパーレス化と業務効率化を総合的に支援している。
b) シン・ビジネス領域
新たな成長ドライバーの創出を目指す新規ビジネス領域であり、企業の基幹業務、人的資本、働き方改革、DXといった幅広い経営課題に対応するソリューションの育成を進めている。
(ERP分野)
業種を問わず企業の基幹業務の効率化を支援するため、同社はSaaS型ERP「D-Ever flex」を提供している。「D-Ever flex」は、業種モデルと業務モジュールを柔軟に組み合わせられる点が大きな特徴であり、短期間での導入と企業ごとに最適化されたシステム構築を同時に実現する。また、「D-Ever flex」は韓国を中心にグローバル12ヶ国で3,000社を超える豊富な導入実績を持つERPサービスをベースに開発されている。そのため、日本国内の商習慣への対応はもちろんのこと、多言語や多通貨にも標準で対応しており、海外拠点を含めたグローバル運用への適合性も高い。
(HR分野)
HR分野では、組織活性化と人的資本強化を支援する「i-CompassTB(アイコンパスティービー)」を展開している。「i-CompassTB」は、エニアグラム理論を活用して個々の性格傾向やチーム状態を可視化し、自己理解・他者理解の促進を支援する。また、1on1支援やチーム診断などを通じて、コミュニケーション改善、エンゲージメント向上の後押しなども行う。
上記に加え、同社はDX推進における支援、IT戦略支援や業務改革などのITコンサルティング機能、そしてデータの収集・可視化・分析を通じた業務最適化支援についても、取り組み拡大に向けて体制を強化中である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 西村 健)
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