■要約
DAIKO XTECH<8023>は、1953年に設立されたITサービス企業である。同社は「未来に問いかけ、価値あるしくみで応える」をグループミッションに掲げ、製造・流通・金融・公共といった幅広い産業の顧客に対して、ITコンサルティングからシステムの設計・開発・運用保守、さらにはネットワーク構築に至るまでをワンストップで提供している。長年の事業運営を通じて培った2万社を超える強固な顧客基盤と豊富な業務知識、すべてを網羅するワンストップ体制、そして2,800社を上回るパートナー網が同社の強みである。さらに、これらを土台とした高い提案力や多角的なソリューション展開も特長となっている。現在、同社は2031年3月期を最終年度とする長期経営計画「CANVAS(キャンバス)」の推進に注力しており、売上高500億円、営業利益率8.0%の達成に向けて、高収益な事業ポートフォリオへの転換を推し進めている。
1. 2026年3月期の業績概要
2026年3月期の連結業績は、売上高が前期比0.4%減の42,500百万円、営業利益が同21.0%減の1,903百万円、経常利益が同20.2%減の1,991百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同14.3%減の1,442百万円で着地した。売上高は、ソフトウェアソリューションへの事業シフトを企図してハードウェア販売などを抑制したことから減収となったものの、事業シフトに伴う収益性の向上により、一部の案件において発生したプロジェクトロスによる追加原価を吸収し、売上総利益は前期比1.3%増となった。これにより、売上総利益率は前期の24.7%から25.1%へと上昇した。一方で、研究開発や人的資本、採用強化といった投資費用の増加に伴い、販管費が膨らんだため、営業利益率は前期の5.6%から4.5%へと低下した。なお、刷新需要を捉えたモダナイゼーション案件やストックビジネスが順調に伸長したことにより、受注高は前期比2.1%増、受注残高は同6.9%増となるなど、今後の業績に向けて堅調に推移している。
2. 2027年3月期の業績見通し
2027年3月期の連結業績は、売上高が前期比2.4%増の43,500百万円、営業利益が同36.6%増の2,600百万円、経常利益が同34.6%増の2,680百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同21.3%増の1,750百万円を見込んでいる。重点ソリューション領域においては、インダストリーソリューションやペーパーレスソリューションなどを中心に、引き続き自社ソリューションの強化と市場シェアの拡大に取り組む。一方、コアビジネス領域では、利益率の高いソフトウェアソリューションへの構造転換と、安定した収益基盤となるストックビジネスのさらなる拡大を推し進める計画である。また、人的投資の側面では、上流工程を担うことができる高度なスキルを持ったエンジニアの採用及び育成に注力する。財務面においては、既存事業とのシナジー効果を重視したM&A戦略を軸に、成長に向けた投資を着実に推進していく方針である。
3. 成長戦略
同社は2030年ビジョンの実現に向け、長期経営計画CANVASを策定している。全体を3つのフェーズに分け、最終年度となる2031年3月期には、売上高500億円、営業利益率8.0%という業績目標の達成を掲げている。最初のフェーズであるCANVAS ONE(最終年度2025年3月期)では、戦略的注力領域である「重点ソリューション」とストックビジネスが拡大した。その結果、売上高及び利益がともに計画を上回り、事業構造改革に向けた強固な基盤が整備された。これを受け継ぐ第2フェーズCANVAS TWOは、基本方針に「深化と革新」を掲げ、さらなる推進を図る変革期と位置付けられている。2028年3月期における業績目標として、売上高450億円、営業利益率6.7%、当期純利益20.5億円、ROE(自己資本利益率)13.0%以上を設定している。具体的には、モダナイゼーションビジネスの強化やシステム運用・サポートビジネスの拡大などを通じて、収益基盤を支える「コアビジネス」の高付加価値化を進めていく。同時に、インダストリーソリューションやペーパーレスソリューションをはじめとする重点ソリューションを成長領域として強化し、高収益型事業ポートフォリオへの転換をけん引する。さらに、M&Aを中心とした成長投資や専門人材の育成・獲得にも注力し、経営基盤のさらなる強化を推進する計画である。
■Key Points
・2026年3月期は一過性のプロジェクトロスの発生により減収減益となったものの、事業シフトは進展
・2027年3月期は重点ソリューションとストックビジネスの拡大により、増収増益を見込む
・高収益型事業ポートフォリオへの転換を進め、2031年3月期には売上高500億円、営業利益率8.0%を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 西村 健)
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