■データ・アプリケーション<3848>の業績動向
1. 2026年3月期の業績概要
2026年3月期の連結業績は、売上高が前期比65.8%増の4,322百万円、営業利益が同15.9%減の276百万円、経常利益が同9.9%減の324百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同41.8%減の156百万円となった。M&A効果によって売上高が大幅に増加したが、同時に大幅な人員増(2026年3月期末の従業員数は前期末比103名増の253名)に伴って人件費(売上原価の労務費を含む)が増加したほか、のれん償却費が増加したため各利益は減益となった。ただし、のれん償却等の影響を除くEBITDAは同9.2%増の481百万円(営業利益276百万円+償却費183百万円+株式報酬費用21百万円)だった。また期初予想(2025年5月12日付公表値、売上高4,500百万円、営業利益280百万円、EBITDA500百万円)に対してはおおむね計画水準で着地した。なおM&Aの影響として、WEEL(前期第2四半期より新規連結)については決算期変更に伴って当期は13ヶ月分(2025年3月1日~2026年3月31日)の業績を連結、DTC及びメロンについては当期第1四半期より新規連結した。
売上総利益は増収効果で同23.2%増加したが、売上総利益率は同17.8ポイント低下して51.7%となった。販管費は同31.9%増加したが、販管費率は増収影響により同11.6ポイント低下して45.3%となった。主な費用増加項目としては、製品製造原価(労務費を含む)が同1,230百万円増の2,014百万円、販管費の人件費が同163百万円増の851百万円、販管費その他(のれん償却費を含む)が同272百万円増の523百万円となった。研究開発費は新サービス「ACMS Cloud」及び「Placul」の開発が一巡したため同11百万円減の269百万円となった。この結果、営業利益率は同6.2ポイント低下して6.4%、EBITDAマージンは同5.7ポイント低下して11.2%となった。
サブスクリプション売上が拡大基調
2. セグメント別の動向
ソフトウェア事業は売上高(セグメント間内部取引消去前)が前期比1.3%減の2,492百万円、セグメント利益(以下、営業利益)が同44.9%減の213百万円だった。営業利益率は同6.8ポイント低下して8.6%となった。パッケージ売上が前期第4四半期に計上した特需の反動で減少したため全体として減収減益となったが、リカーリングの四半期別売上高は第1四半期499百万円、第2四半期513百万円、第3四半期526百万円、第4四半期535百万円(このうちサブスクリプション売上は第1四半期229百万円、第2四半期243百万円、第3四半期256百万円、第4四半期266百万円)と順調に拡大した。なお製品別売上高(メンテナンス、サービスその他を除く)は、戦略製品合計が「ACMS Apex」の拡販により同20.3%増の715百万円、その他製品合計が同12.6%減の712百万円だった。
システムインテグレーション事業は売上高が1,335百万円、営業利益が57百万円、のれん償却が24百万円だった。営業利益率は4.3%となった。売上計上基準調整の影響により売上高が計画を下回ったものの、子会社DTCにおいて案件の進捗が順調だったことに加え、内製化推進を含むコストコントロール強化によって収益性が想定以上に改善した。
AI関連事業は売上高が638百万円(前期は80百万円)、営業利益が5百万円(同58百万円の損失)、のれん償却が71百万円だった。営業利益率は0.9%となった。売上面は生成AI関連の旺盛な需要を背景に、子会社WEEL及びメロンが順調に推移した。利益面はのれん償却の影響でやや低水準となったが、人材やマーケティングの先行投資を継続しつつも生産性向上効果によって収益性が向上した。
財務の健全性を維持
3. 財務状況
財務面で見ると、2026年3月期末の資産合計は前期末比857百万円増加して7,036百万円となった。主に投資有価証券が232百万円減少した一方で、現金及び預金が323百万円増加、売掛金が232百万円増加、のれんが295百万円増加した。負債合計は同609百万円増加して2,012百万円となった。主に繰延税金負債が56百万円減少した一方で、買掛金が46百万円増加、未払金が59百万円増加、前受金が280百万円増加したほか、長短借入金残高合計がM&Aによる新規連結で同205百万円増加して299百万円となった。純資産合計は同248百万円増加して5,024百万円となった。主にその他有価証券評価差額金が88百万円減少した一方で、資本剰余金が53百万円増加、非支配株主持分が211百万円増加した。
この結果、自己資本比率は同8.9ポイント低下して68.4%となった。またROA(総資産経常利益率)は同1.0ポイント低下して4.9%、ROE(自己資本当期純利益率)は同2.4ポイント低下して3.3%となった。自己資本比率、ROA、ROEとも低下したが、M&Aという積極的な事業展開によるものであり、自己資本比率は引き続き高水準であること、キャッシュ・フローの状況にも特に懸念材料が見当たらないことなどから、財務の健全性が維持されていると弊社では考えている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田 雅展)
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