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「ベッセント・マジック」はもう錆びついた。為替介入・金利抑制・イラン制裁、市場が下した3連敗の烙印=斎藤満

中途半端なイラン経済制裁

そしてさらに彼の足を引っ張ったのがイランへの経済制裁です。ベッセント財務長官は24日、イランとその支援者を国際経済から追放する「経済的追放作戦」を発表しました。これはイランの企業だけではなく、第三国の企業、金融機関、船会社にも二次制裁を課し、米ドルを中心とした金融システムから締め出すものです。これによってイラン政府の命運を絶とうとしています。

その点、イランと取引する第三国の代表となるのが中国です。イラン原油のほとんどを中国が輸入しているので、当然中国の企業、金融機関、船舶が制裁の対象になります。現にこの発表を受けて中国の習近平国家主席は反発、米国の行為は法に反するものと抗議しています。
習近平主席はこの秋、訪米してトランプ大統領と会談を予定しています。トランプ政権はその前にことを荒立てたくないようで、中国の大手銀行などはこの対象から外し、米中関係の悪化を避けようとの姿勢が窺えます。

もともと米国は軍事面での決定的な勝利を得られないまま、ミサイルなどの武器が足りなくなり、一旦は軍事戦略を後退せざるを得ない状況にありました。このため、関心を北朝鮮の金正恩総書記に移した感がありますが、イランもこのまま放置すればまた体制の立て直しが進みます。そこで経済面からイランの立て直しができないよう、制裁を科した面があります。

トランプは日本のレアアース再処理技術を米国に移転できるよう、対米投資を促し、円安修正の為替介入にも協力しました。それだけレアアースで中国が交渉に有利な立場をとれなくした分、トランプも強気に出られる環境となったのですが、それでも中国と正面からぶつかる事態は避けたいようです。これが中途半端な対中国二次制裁に現れています。

盤石ではないトランプとの関係

トランプの身勝手な行動の責任をベッセント長官に擦り付けました。トランプ陣営からはトランプ離れを起こす動きが見られます。トランプ大統領とベッセント長官との関係も決して盤石ではありません。ベッセント長官がチームを去るようなことになれば、トランプ陣営にも大きなマイナスになります。

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マンさんの経済あらかると マンさんの経済あらかると 』(2026年8月31日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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金融・為替市場で40年近いエコノミスト経歴を持つ著者が、日々経済問題と取り組んでいる方々のために、ホットな話題を「あらかると」の形でとりあげます。新聞やTVが取り上げない裏話にもご期待ください。

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