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近づく「官製ブラックマンデー」約束された急落のベストシナリオ=藤井まり子

「官製のブラックマンデー」はすぐそこまでやってきている

2017年は「7」の付く年なので、暴落が起きやすいです。放っておけば、「2017年の秋」には、暴落が起きて、バブルがピークアウトしてしまうかもしれない。半年後の2018年春あたりには、アメリカ経済はリセッション入りする可能性もある。

かくして、「バブルが終わるなんて嫌だ!」「リセッション入りなんて嫌だぁああ!」ということで登場したのがトランプ政権。

ただし、大型減税と大型のインフラ投資と規制緩和を掲げる「トランプラリー」は、画竜点睛に欠けていました。今のトランプラリーは、イエレンFRBが金融緩和へ転換しない限りは、欠陥車なのです。

減税は、株価を上昇させますが、金融緩和とセットで行わない限り(減税の規模が大きいか小さいかに関わらず)経済成長を加速させないのです。そのトランプ減税も、ロシアゲート事件発覚でその実現性が怪しくなってきています。

そもそも、「2017年、比較的早い時期の株価の大幅修正」は、トランプラリーのベストシナリオでした。

今のアメリカのマーケットには、「大きなゆがみ」が存在しています。株式市場は極度にイケイケのシュガーハイ状態なのに、債券市場は実体経済が堅調な割に慎重極まりない。為替市場では、「ドルのインデックス指数」が、既にトランプラリー開始前の昨年秋の水準にまでドル安修正しています。これは、大規模減税でも大規模インフラ投資でも、もうトランプ大統領には何も期待していないということです。

為替市場は、マーケットの中で最も早く動きます。近いうちに、債券市場も株式市場も、為替市場に遅れて調整していくことでしょう。

年明けからのトランプラリーは、イエレンFRBが利上げできるくらいだから、「アメリカ経済の将来はかなり調子が良いのだろう」と株式市場関係者も頭を空っぽにして株式市場に賭けてきた可能性がかなり高いです。 マーケットの「ゆがみ」は、近いうちに修正・調整されることでしょう。

今のアメリカ経済は、賃金上昇率の低下と物価上昇率の低下という点では、暗い陰があります。近い将来、成長がスローダウンする可能性が懸念されています。物価上昇面から眺めると、アメリカ経済の 「長期停滞」の影がどうしても拭えないのです。

そういった中、イエレンFRBの3月の利上げは「動機は不純」だった疑いがあります。「近い将来、政権に金融緩和を迫られそうだから、金利を引き上げられる今のうちに急いで金利を引き上げた」疑いがあります。

同じように、イエレンFRBの6月利上げも「動機が不純」。しかしながら、イエレンFRBは6月に利上げを断行することでしょう。「8月のFRB人事」の正式決定までは、イエレンFRBは利上げの手綱を緩めないでしょう。

(トランプ大統領もイエレンFRB議長も「近い将来、金融緩和に転じて、高圧経済を造り出して、大型バブルを造ってでもアメリカ経済の構造改革を推進していこう」という点では、意見が一致しています)

2回におよぶ「動機が不純」な利上げで、アメリカ株式市場の大幅調整は免れないでしょう。

「100歩」譲って、イエレンFRBが6月の利上げを見送ったならば、何が起きるのか? そもそも、イエレンFRBはかねてより「アメリカの株価はバリエーションから眺めると高すぎる」と警鐘を鳴らしているので、6月利上げを見送るなんてことが起こりうるのだろうか?

6月に早々と利上げを見送れば、下手をすると、8月に「FRB議長の人事」が正式決定する前に、トランプ大統領との政治的な取引が終了してしまうことにもなり、イエレンFRB議長としては「とても損」になります。

イエレンFRB議長としては、FRB人事が無事終了するまでは、トランプの奥歯をがたがた言わせたいはずです。利上げの手綱は緩めないでしょう。そういった意味でも、6月利上げの見送りは起こりえない

万が一、6月利上げを見送るとすれば、アメリカ株がイケイケになり過ぎて、秋には20%以上の大幅調整や暴落を巻き起こすことなってしまうかもしれません。「20%以上の下落」では、(大幅調整を超えて)アメリカ株式市場を「弱気相場入り」させてしまう危険があります.。

6月利上げは、「アメリカ株式市場の弱気相場入り」を回避するためにも必要なのです。また、アメリカ株式市場を「健全に調整させる」ためにも必要でしょう。今のアメリカ株式市場で「健全なガス抜き」を起こすためにも、さらには、「その後の息の長い株価上昇」を形成するためにも、6月利上げがぜひとも必要なのではないでしょうか。
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※本記事は有料メルマガ『藤井まり子の資産形成プレミアム・レポート』2017年5月23日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にご購読をどうぞ。当月配信済みのバックナンバーもすぐ読めます。

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藤井まり子の資産形成プレミアム・レポート』(2017年5月23日号)より一部抜粋、再構成
※太字はMONEY VOICE編集部による

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