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バフェットが気づいた「強いアメリカ経済」のウソ。米GDPは粉飾されている

増え続ける借金漬けの米国人

米国人は借金で生活しています。複数枚のクレジットカードを持って買い物をするのですから、多重債務者と言えます。

仕事にありついている間は綱渡りで生活していますが、何か変事が起きれば、落下となります。本来ならば、貯金という命綱を持っていなければならないのですが、ほとんど持っていません

そのクレジットカード債務に関する報道を紹介します。報道のポイントは下記です。

米国民のクレジットカード債務は膨れ上がっており、2017年第2四半期には33B$の増加を示した。これは2008年末以降で2番目に最高となっている。

2017年末には、この債務残高がさらに60B$以上増えて、1T$を突破するとの予測が出ている。このクレジットカード債務が最高だったのは2016年で、1年間の新規債務額は87.2B$増えたのだ。

この状況を分析したWallet Hubによると、米国消費者のクレジットカード平均残高は、2016年の7564ドルから、2017年には7996ドルへと増加しているとのこと。債務残高は、2016年の884.7B$から、2017年には936.1B$と6%増えている。

出典:Americans headed towards $1 trillion in credit card debt, study says – Fox Business(2017年9月11日配信)

クレジットカード債務のデータは米国の家計の健全度を示すものであり、時代の過剰債務のバブル、貸出基準などの変化を読み解くものです。

下記、オリジナルデータのグラフをいくつか紹介します。

▼(ア)クレジットカード債務残高総額

期間は1986年第1四半期から2017年第2四半期。

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▼(イ)クレジットカード債務の純増加高推移

減少はまったく見られません。期間は1986年から2016年。

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▼(ウ)四半期毎の損金処理率

期間は1986年第1四半期から2017年第2四半期。最高の時期には1割以上が損金処理された時もあったのです。

170921kansha_7

▼(エ)1家計当りの平均クレジットカード債務額

期間は1986年第1四半期から2017年第2四半期。

170921kansha_8

これから緩慢かつ着実に、借金漬けの米国人の重荷は増え続け、返済不履行となる家計が増えてきます。このことを短期的な失業率で計り知ることは、不可能です。失業率ではなく、失業者数の増加が問題なのです。それだけでなく、正規労働者からパート・アルバイトなどの非正規労働者の増加が問題となるのです。

【関連】911から16年。仕組まれた国アメリカは「日本の核武装」に舵を切るか?=斎藤満

そうなれば、緩慢かつ着実に、貸し手側の金融機関が倒れていくことになります。もちろん、金融当局は金融機関の倒産を避けて、銀行合併などで乗り切ると思いますが、何かのきっかけで弱体化したシステムが、ドミノ倒しとなる可能性は否定できないと思います。

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・米国の経済成長:2017年見通し【続編】(9/20)
・米国の経済成長:2017年見通し/借金漬けの最高記録か?(9/20)
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8月配信分
・利上げどころか もっとマイナスへ(8/31)
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7月配信分
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6月配信分
・表面化した七転八倒のドイツの銀行/世界一の海運会社の状況(6/30)
・2017年第1四半期の状況/中国:ずーっと雲隠れ(6/29)
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・消耗品も売れないので/お洒落も我慢(6/16)
・供給不足で御免なさい/消費不況の深刻化(6/15)
・食品も売上減と言うことは/ここも駄目(6/14)
・富裕層の4割近くが怖れていること/投資資金の動き(6/13)
・米国新車販売:2017年5月/ロシアとイランの合意(6/12)
・今は異常な混乱状態/ドイツもコイツも嘘ばかり?(6/10)
・特別引出権の誕生の裏では:No.4(6/9)
・特別引出権の誕生の裏では:No.3(6/8)
・特別引出権の誕生の裏では:No.2(6/7)
・カタール、サウジアラビア(6/6)
・特別引出権の誕生の裏では:No.1(6/6)
・黒字回復したものの!/金貨を正貨に:アリゾナ州法(6/5)
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5月配信分

・銀鉱山として紹介するのはここです:6~9/(5/31)
・銀鉱山として紹介するのはここです:3~5/(5/30)
・供給量が減っているのに、安いのは何故?/銀鉱山として紹介するのはここです:1~2(5/29)
・2017年5月 米国新車販売台数の予測(5/28)
・金貨を正貨に:アリゾナ州/本気なのか? 金本位制復帰(5/27)
・ここまで節約するのは、不況だから/興味深い重要な変化(5/25)
・4月の需要は4倍以上に/後1年半以内に450支店を閉鎖する(5/24)
・1ヶ月遅れの第1四半期業績/銀貸出金利/この仕組み、駄目かも?(5/23)
・油田、ガス田で採掘業者の支援サービスをする企業の倒産は続く/(5/22)
・2017年のOPECレポート:5月(5/22)
・断言した商務長官/景気一段の悪化/5月10日:銀価格と貸出金利(5/19)
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・時々起きている米国の中小の銀行倒産/2017年5月9日までの1年間の銀価格(5/17)
・米国新車販売:モデル・チェンジ操業一時停止/米国自動車販売:後に廻ってくるツケ(5/16)
・米国新車販売:トラック部門でも起きている話/米国新車販売:夏季操業停止(5/15)
・米国自動車産業の現実と未来(5/12)
・供給不足で御免なさい/生産販売実績 2017年4月(5/11)
・さらなるリストラ必須/ここが潰れればどこに影響が出る?(5/10)
・多重債務の現状(5/9)
・借金は決して消えない。危機も消えずに破裂するまで続く(5/8)
・国家方針に従って、進んでいる(5/5)
・10年前のあの時よりも悪い/(5/4)
・顧客離れか? 貧困問題か?/顧客離れか? それとも不況のせいか?(5/3)
・公式発表以外に秘密裏に閉店するシアーズ/大鉈を振ったはずだが、それでも足りない(5/2)
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いつも感謝している高年の独り言(有料版)』(2017年9月20日号)より一部抜粋、再構成
※太字はMONEY VOICE編集部による
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