相手との信頼関係を築ける上手な「接待」とはどのようなものでしょうか? 事前準備や暗黙のルール、マナー、心構えまで、銀座ママの日高利美さんが伝授します。(『銀座ママ日高利美のメールマガジン「銀座の教え」』)
プロフィール:日高利美(ひだか としみ)
1975年生まれ。18歳で銀座のママになるべく銀座で働き始める。多くの一流ビジネスマンを接客することで、一般常識とマナー、気配りの大切さを学ぶ。26歳で銀座のクラブのオーナーとなり、現在は複数の会社を経営する実業家として活躍中。ライフワークとして、米国ロサンゼルス、シリコンバレーやシンガポールでの海外公演をはじめとし、国内では企業の経営者や就職活動中の学生に対する講演から女子力アップセミナーまで、幅広い世代に向けたセミナーの講師を務める。
※本記事は有料メルマガ『銀座ママ日高利美のメールマガジン「銀座の教え」』2017年7月3日, 10日, 17日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。
失敗しない「接待」のいろはを銀座ママ・日高利美さんが伝授!
何度も会うことで信頼関係が生まれる
アメリカの心理学者ロバート・ザイアンスの「ザイアンスの法則(単純接触効果)」をご存知でしょうか?
要約すると…
- 人は知らない人には攻撃的、冷淡な態度をとる
- 接触回数が多いほど親しみを感じる
- 相手の人間的な側面が見えると感情が深まる
という内容の法則です。
人は会う回数を重ねるうちに警戒心が薄れていきます。そして、良い印象だったり良い関係を築かれている場合、会う回数を増やしたり接触回数を増やすことで、信頼関係が生まれて育まれていきます。
ポイントは、1度に長い時間一緒にいることではなく、「接触する回数を重ねていくこと」。会う回数だけでなく、電話やメール、カード、プレゼントなどの贈り物…などを含め、接触回数を重ねることで相手に親しみを感じてもらえます。
また、相手の人間的な側面を知ったとき、好感を持つようになることもあります。
さらに、同じ時間を過ごすことで2つの効果が生まれます。
- 仲間意識
- 相互理解
時間の共有から生まれる一体感は、人間関係を築いていくうえで大変重要な感覚です。時間を共有することでしか、記憶や感情をわかち合うことはできません。その経験を経ることで、初めて相手に仲間意識を持ち、自分の心を開くことができるようになります。
頭では仕事とプライベートを分けていたとしても、やはり血の通った人間です。一緒に仕事をする相手は、できれば心地の良い相手を選びたいと思うものです。
なぜ接待は重要なのか?
相手の仕事に対しての価値観や進め方、人間関係の築き方、好き嫌いを知っていくためには、どうしても時間が必要です。相手との距離を縮めるうえで、「接待」は要となります。
接待は、一緒に働く人たちが仲を深めるためのものではありません。ただ一緒にご飯を食べて仲良く話す場でもありません。
接待は、会社を代表して取引会社さんとの関係を構築するためにするもので、ビジネスをより円滑にするための情報を引き出す場でもあります。人は気分がいいと、普段は教えない情報を教えてくれるものです。
この人と一緒に仕事がしたい。
この会社と一緒に仕事がしたい。
この人に、この会社に仕事を任せたい。
そう思ってもらうための、人間関係を築くための懇親の場なのです。良い人間関係を築くことが、継続的な仕事や大きな仕事を生みます。そして、「今後とも宜しくお願い致します」という言葉を相手から引き出せるかが重要になります。
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