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もしすべての年金制度を「廃止」したら日本はどうなる?=hiroki

生活保護に頼ることは無理なのか?

じゃあ生活保護に頼るという考えに及ぶかもしれませんが、生活保護は原則としてまず自分の財産という財産を全部使い果たしたうえでしか支給されないし、親族が居るならそっちを頼ることを優先されます。それに生活保護は全額税金だから、国としてもとんでもない負担になる。年金は自分の子や孫等の後代に重い負担をさせることを防ぐ役割もあります。

で、今は平均余命が延びて、高齢者の人も長生きして80歳、90歳超えなんて普通にあること。いつまで長生きするのか、そんなことは誰にもわからない。仮に、年金無しで貯蓄だけで老後を過ごそうってことでやっちゃうと、そういう長寿リスクに対応できない。いつ死ぬかわかるんならいいけど、それは誰にもわからないわけで…。

年金というのはそんな長寿リスクに最も強力な保険なんです。なぜなら、生きてる間はずっと支払われるから。そして、私的に親世代を扶養するリスクにも対応しているわけです。年金保険料を払ってきたのに途中で死んだら払い損じゃないか! とか、保険料払った分の元が取れない! とかそういう話は結果的なものであり、問題はそこじゃない。

じゃあ、大抵の人がこぞって加入する民間の生命保険の定期保険で言ったら、途中で死ななかったから保険金下りずに損した! とか、火災保険だったら、家が燃えて無くならなかったから保険金下りずに損した! とか馬鹿な話をするんでしょうか。んなわけないですよね(^^;; 年金は貯蓄じゃなくて保険なんです。

さらに、老後の年金だけでなく、人生の途中で病気や怪我で働く事が困難になれば障害年金が傷病が治るまで保障。中には先天的な病気や、不慮の事故なんかで重い障害を負ってしまった方もいるでしょう。そういう方々が所得が得られない場合は障害年金やその他福祉的なもので支えていかなければいけません。20歳前はまだ年金保険料を支払う義務は無いですが、20歳前に負った障害も20歳以降に障害年金が保障します(障害年金の等級に該当する程度であれば)。

Next: 結局、年金制度は継続していくべきなのか?

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