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孫正義が考える「バフェットの倒し方」ソフトバンク親子上場の狙いとは?=栫井駿介

アプローチは正反対だが、どっちも正しい

孫とバフェットの投資で共通することと言えば、「優良企業に投資すること」でしょう。いわば投資の鉄則であり、それを見極められるかどうかが投資家としての腕の見せ所です。

しかし、両者のアプローチは正反対と呼べるほど大きく異なるものです。

バフェットの銘柄選定は、過去の実績や現在の状況から「経済の堀」がある企業を探し出し、その企業の株価が本質的な価値よりも割安なものに長期で投資するというものです。企業の選定は「自分が理解できる事業」とし、そのジャンルは問いません。経営者の能力よりも「馬鹿でも経営できる会社」を選びます。

一方、孫の銘柄選定はインターネットの世界を軸として、これから大きく伸びそうな企業に対し上場・未上場問わず投資を行います。投資企業の多くは過去の実績を持っておらず、孫は事業の将来性と経営者の能力を見て投資していると考えられます。

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端的に両者の違いを比較するなら、バフェットは過去と現在に価値を見出し、孫は未来に価値を見出しているということでしょう。バフェットは「いいものは時間が経っても大きくは変わらない」と考え、一方孫は「未来はもっと良くできる」と考えているのです。

投資のアプローチとしてはどちらが正しいと言うことはありません。どちらも正解であり、また完全とも言えません(そもそも、投資に「完全」はありません)。

唯一の正解があるとするなら、どちらも自分で考えた「価値」に投資しているということです。自分を信じ切れるかどうかが投資において成功の鍵であることは、バフェットの師であるベンジャミン・グレアムも指摘しています。

願わくは、両者が同じ時代・同じ場所に生き、その投資成果を競って欲しかったと感じます。ソフトバンクグループの投資戦略はまだこれからですが、孫社長の眼に映る「未来の価値」を、同じ投資家としてはぜひ覗いてみたいものです。

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image by:Masayoshi SonWarren Buffett / Wikimedia Commons

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本記事は『マネーボイス』のための書き下ろしです(2018年1月25日)

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【毎日少し賢くなる投資情報】長期投資の王道であるバリュー株投資家の視点から、ニュースの解説や銘柄分析、投資情報を発信します。<筆者紹介>栫井駿介(かこいしゅんすけ)。東京大学経済学部卒業、海外MBA修了。大手証券会社に勤務した後、つばめ投資顧問を設立。

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