日銀、黒田総裁の発言が大きな混乱を招いた為替相場ですが、はたして15日からの週はどう動くのでしょうか?15日からの週というと米FOMCや黒田総裁の会見が行われるイベント週。ベテラン投資アドバイザーの長谷川雅一さんはどうやら一波乱が起きそうと分析しています。
黒田「逆バズーカ」炸裂
10日(水)の、日銀黒田総裁の発言には驚きました。
「これ以上の円安はありそうにない」という、彼の一言で、米ドル/円相場は2円の急落。日経平均にも200円ほどの下落圧力となりました。
黒田氏はこれまで、サプライズをともなう金融緩和(黒田バズーカ)で、「円安株高」の流れを演出してきた立役者ですが、今回は「円高株安」に直結する「逆バズーカ」をぶっ放してしまったわけです。
真意は不明
黒田氏の発言が、行き過ぎた円安を止めるための意図的なものだったのか、あるいは「失言」だったのか、その後の動きを見ていても彼の真意はよくわかりませんが、ニュースを総合すると、どうやら「失言」だった可能性が高いようです。
通常、一国の中央銀行の総裁が、具体的な為替の水準に言及することはありません。……いえ、「言及してはならない」というのが常識です。
ところが彼は、市場に、「125円以上の円安は許容できない」と受け取られるようなコメントを発してしまったのです。
米ドル/円の上値が重くなっている
為替相場には、こうした「要人発言」が大きく影響します。黒田「逆バズーカ」以来、125円を抜き130円を目指していた米ドル/円の上昇は、明らかに勢いを失いました。
週末の米ドル/円も、売り買いが交錯し、123円付近で「もみあい」ました。
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