株を買う時の指針になるのが株式指標や配当利回りです。これらをもとに銘柄は「成長株」「割安株」「還元株」などと分類され、投資先を選定する材料にされています。「株式投資図鑑の銘柄情報」では、株式投資を行う上で注目すべきこれら「成長株」「割安株」「還元株」の見つけ方を書いています。
「成長株」「割安株」「還元株」どうやって判断すれば良いの?
成長株
成長株はこれから業績が伸び、それに伴って株価が上がると考えられる銘柄です。
マザーズやジャスダックといった新興市場に上場する株式に投資するなら、ほとんど成長株狙いということになるでしょう。
成長株のPERは高めになりがちです。PERが高いほど投資家が将来の成長に期待しているということです。例えば、トヨタのPERは11倍ですが、マザーズに上場する弁護士ドットコムは88倍です。この差が成長期待の差と言えます。
PERが高い銘柄への投資は躊躇しますが、今のPERが88倍でも、将来的な利益が8倍になるならその時のPERは11倍で、トヨタに並びます。「利益が8倍になるか」という観点で見れば、投資の是非を判断できるでしょう。
割安株
割安株はその会社の実力に対して、市場でついている価格が低い株のことです。
価格が低い理由は様々ですが、正当に評価されることでやがて適正な株価に戻ってくるという考えで投資します。
割安株は安定した大企業であることがほとんどです。大企業であるほど、将来の業績が見込みやすく、会社の実力を判断しやすいからです。バフェットもこのような銘柄を好みます。
「会社の実力」は、利益で見る場合と資産で見る場合があります。
利益で見るなら、会社が出せる純利益に対して、時価総額が大きいか小さいかを判断します。つまり、PERを見るということです。
資産で見るなら、現金や有価証券など換金性の高い資産を見ます。借金がなく、現金を1,000億円持っている会社の時価総額が900億円なら明らかに割安ということです。
還元株
還元株は、多くの株主還元が見込める銘柄のことです。
事業から生まれる豊富なキャッシュを配当や自己株式取得の形で株主に分配してくれます。
事業から生まれるキャッシュが安定していて、高い配当性向や総還元性向(配当と自己株式取得を合わせた数値)を宣言しているなら、リスクを抑えた投資をすることができます。株主還元は株価に関係なくもらえるからです。
例えば、NTTドコモは6,600万件の携帯契約からもたらされる安定した収益を、約6割の高い配当性向で還元しています。配当利回りも約3%と高く、魅力的な還元株と言えるでしょう。
還元株の株価は下がりにくいことが特徴です。株価が下がれば配当利回りが上昇するので、ある程度のところで買いが入ります。還元株は初心者向けと言ってもいいかもしれません。
いい会社を選ぶこと
株式の種類を紹介しましたが、共通するのは「いい会社」を選ぶということです。
成長株なら成長する根拠が必要ですし、割安株では本当の実力が試されます。還元株も、還元の源泉となるキャッシュを生み出す力がないといけません。
株式投資図鑑は、みなさんがいい会社を見つける手助けになりたいと思っています。今後ともよろしくお願いします。
『株式投資図鑑』(2015年6月12日号)より一部抜粋
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