不動産投資におけるリスクってどんなものがあるの？＝姫野秀喜

2015年6月24日不動産投資

不動産投資というと、購入した物件を人に貸し、家賃収入を得ることで比較的安定した収益を長期間にわたり上げられる投資というイメージを持っている人は多いのではないでしょうか。しかし、当然リスクはあります。『1億円大家さん姫ちゃん☆不動産ノウハウ』ではそのリスクについて解説してくれています。

プロフィール：姫野秀喜（ひめのひでき）
姫屋不動産コンサルティング(株)代表。1978年生まれ、福岡市出身。九州大学経済学部卒。アクセンチュア(株)で売上3,000億円超え企業の会計・経営計画策定などコンサルティングに従事。合間の不動産投資で資産1億円を達成し独立。年間100件以上行う現地調査の情報と高い問題解決力で、顧客ごとに戦略策定から実行までを一貫してサポートしている。

マーケットリスクは最小化できる

不動産投資も投資の一つなので、そのほかの投資と同様に様々なリスクがあります。

例えば以下のようなリスクがあげられます。

【天災系リスク】
・地震・火事・洪水等リスク
・シロアリ、害虫等のリスク

【政治的リスク】
・税制変更によるリスク
・政治不安によるリスク（特に海外など）

【人災系リスク】
・滞納リスク
・夜逃げリスク
・犯罪に使われるリスク
・自殺のリスク

【マーケットリスク】
・空室リスク
・家賃下落リスク
・金利上昇リスク
・為替リスク（海外の場合）

この中で天災系リスク、すなわち自然災害のリスクは発生すればお手上げとなります。
もちろん、保険には入っていますが、保険でカバーしきれないことが山ほどあります。

ただ、起きる確率が低いので気にしていないだけです。飛行機事故が起きたら大参事になることはわかっていても人は海外旅行をやめないように自然災害が発生して大参事になることがわかっていても、不動産投資家は投資をやめないだけです。

というか、そうそう簡単に発生するものでもないと知っているので気にするのをやめているだけです。

もし、読者の方で自然災害が怖いから不動産投資を怖いと思っている人がいたら、強制的に頭の中を海外旅行に行くのと同様にとらえるようにしてください。
そうしたら不安から目を背けることができます。
ただし、これはただのテクニックですのでリスクを回避する方法ではありません。

次に政治的リスクですが、これも不可抗力なことが多いです。
海外投資をしていて突然戦争が起こったりすれば、当然大損してしまうこともありえます。
しかし、幸い私たちは日本に住んでいるので、気にするべきはせいぜい税制の変更による影響くらいのものです。
しかも日本の場合は税制が変わっても経済活動に大きな影響がでないように、徐々に変更するようになるので突然破産に追い込まれるような変化の仕方はしないと思います。

次に人災系リスクですがこれは、入居する人を審査する時点でしか防ぎようがありません。
ちゃんとした職業についているのか。身元は確かか。保証人はしっかりしているか、保証会社に入ってもらえるかなど、入居者の選別を厳しく行う必要があります。しかしながら、あまり厳しくすると空室のままになるので、その兼ね合いが難しいです。

最後にマーケットリスクですがこれは、その物件を購入する時点にどれだけマーケットにあった物件か、妥当な物件価格かということを吟味してリスクを最小化するしかありません。

買ってしまった後には、もうリスクを下げることはできません。
もちろん、将来のことはわからないので家賃が下落することや人口が急に激減してしまうこともあるとは思います。

オリンピックが決まって、突然地価が高騰することもあります。
ただ、多くの場合、そういったマーケットに影響する要因は緩やかに変化しておりその変化を購入時点で見ることは可能です。

10年連続で人口が減少している都市は、今後の10年も減少傾向が続くことは素人でも予測できますし移民でも受け入れない限り唐突にV字回復するなんて超楽観的な予測はだれもしないでしょう。

ということで、その地域の人口動態、土地価格、家賃相場、新築の着工件数、購入する物件価格などを見て判断することで多くはリスクを最小化できるはずです。

ということで、リスクとの付き合い方をまとめると

【天災系リスク】⇒お手上げだが発生確率は低いので恐れない
【政治的リスク】⇒不可抗力だが影響は限定的
【人災系リスク】⇒物件を管理するタイミングでリスクを減らす
【マーケットリスク】⇒物件を購入するタイミングでリスクを減らす