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上海総合指数は3週ぶり安値、過去最大幅の資金流出を嫌気

15日の日経平均株価は前場に高値18329.57円まで上昇するも、後場に入って日銀の金融政策現状維持や中国株式市場の下落を嫌気し上げ幅を縮小、前日比60.78円高の18026.48円で引けました。上海総合指数は3週ぶりの安値、節目の3000ポイントを割れる場面も

外貨売買残高の減少幅が過去最大に。上海3週ぶり安値

中国金融機関の外貨売買残高が減少、人民元安受け資金流出

中国人民銀行(中央銀行)が14日発表した8月末の金融機関の外貨売買残高は、前月末比7238億元減少した。単月の減少幅として過去最大となった。

15日付『経済参考報』によると、人民銀が8月に実施した人民元の実質的な切り下げを受けて企業や個人が資金を海外へ流出させたことが主因。

民生証券のリサーチ担当者は、資金流出を抑えるためには人民元の先安観を変える必要があるとの見方を示した。

人民銀が打ち出す対策としては、為替予約などにかかる費用負担を増やし、元買い・米ドル売り介入によりオフショア人民元とオンショア人民元の為替レート差を縮小させるなどが考えられるという。

一方、8月の人民銀の外貨売買残高は、前月末比で3184億減少し、人民銀を含む金融機関の外貨売買残高の減少幅との差が広がった。人民銀の報道官は14日、銀行システムの外貨流動性に余裕があり、外貨資金の運用収益が低いことから、資金を運用する企業や個人の要請に応えて一部の金融機関が資金を国外に流出させたとの見解を明らかにした。

本土大引け:大幅続落、売買低調で3週ぶり安値

15日の中国本土株式市場で上海総合指数は大幅に続落。終値は前日比3.52%安の3005.17ポイントだった。上海、深セン両市場の売買代金は概算で4776億1500万元。

上海総合指数 5分足(SBI証券提供)

上海総合指数 5分足(SBI証券提供)

上海総合指数はほぼ全面安で寄り付き、マイナス圏を推移。証券会社以外の金融会社が高レバレッジの株式投資資金を融資する「場外配資」を当局が引き続き取り締まるとの観測が浮上し、売買代金が低迷して投資家心理が弱気に傾いた。

8月末の中国金融機関の外貨売買残高は前月末比7238億元減少し、単月では過去最大の減少幅。根強い人民元の先安観を背景に資金流出の見通しが嫌気された。指数は後場に一段安となり、一時は2983.92ポイントまで下げた。終値は8月26日以来ほぼ3週ぶりの安値圏だったものの、政府系金融機関が相場に介入するとの思惑買いが入ったことで心理的節目の3000ポイントをかろうじて上回った。

幅広いセクターが下落するなか、銀行と保険の一角が買われた。

A株市場では、交通インフラ建設の中国交通建設(601800)、中国鉄建(601186)や鉄道車両メーカーの中国中車(601766)が大幅に反落。造船大手の中国船舶重工(601989)、発電インフラ・設備関連の中国電力建設(601669)、上海電気集団(601727)が制限値幅の下限(ストップ安)まで売り込まれた。内蒙古包鋼鋼聯(600010)は続落した。

半面、金融株の中国人寿保険(601628)、交通銀行(601328)が買われた。シノペック石油工程技術服務(600871)、瑞茂通供應鏈管理(600180)、東方国際創業(600278)はストップ高。

上海B株指数は1.06%安の286.69ポイントと続落。深センB株指数は1.06%安の1016.14ポイントと4営業日続落。上海鼎立科技発展(900907)や上海自動化儀表(900928)が大幅に下げた。家電メーカーのコンカ(200016)はストップ安を付けた。

香港大引け:反落、本土株安や FOMCめぐる不透明感が重し

15日の香港株式市場でハンセン指数は反落。終値は前日比0.49%安の21455.23ポイントだった。H株指数は0.25%安の9704.27ポイント。メインボードの売買代金は概算で636億9100万HKドル。

香港ハンセン指数 5分足(SBI証券提供)

香港ハンセン指数 5分足(SBI証券提供)

ハンセン指数は小安く寄り付いた後、前日終値付近でもみ合う方向感に欠ける展開。後場にやや下げ幅を広げて取引を終えた。本土市場で上海総合指数が軟調な値動きとなったことが嫌気されたほか、16-17日の米連邦公開市場委員会(FOMC)を控え米国の利上げ時期をめぐる不透明感も相場の重しとなった。

個別では、金融株のHSBC(00005)やAIAグループ(01299)が売られ、指数を押し下げた。チャイナ・モバイル(00941)やチャイナ・ユニコム(00762)など本土系通信株の下げも目立つ。新鴻基地産(00016)、恒基兆業地産(00012)など香港系不動産株も売られた。

半面、IT大手のテンセント(00700)が逆行高。保険株の中国人寿保険(02628)が高い。米アップル新型iPhoneの予約好調を背景に、富智康集団(02038)や舜宇光学科技(02382)などアップル関連株も買われた。

H株では、不良債権処理会社の中国信達資産管理(01359)が2.81%安と同指数構成銘柄の下落率1位。自動車メーカーの長城汽車(02333)、不動産株の大連万達商業地産(03699)なども下落した。

一方、中国国際航空(00753)が5.28%高と指数構成銘柄の上昇率1位。風力発電の龍源電力(00916)も高い。

【DZH】中国株マーケット&ニュース』(2015年9月15日号)より一部抜粋、再構成
※チャートと太字はMONEY VOICE編集部による

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