海外送金は、実はとても手数料が高くつきます。今回の記事では、海外送金を格安で行えるようにする「TransferWise」のビジネスモデルと強みを解説します。(『決算が読めるようになるノート』シバタナオキ)
※本記事は有料メルマガ『決算が読めるようになるノート』2018年10月10日号の抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。
AppGrooves / SearchMan共同創業者。東京大学大学院工学系研究科技術経営戦略学専攻 博士課程修了(工学博士)。元・楽天株式会社執行役員(当時最年少)、元・東京大学工学系研究科助教、元・スタンフォード大学客員研究員。
なぜ格安で海外送金できるのか? 誰もが納得の賢い工夫と将来性
海外送金の手数料はバカ高い
今回の記事では、海外送金を格安で行えるようにするTransferWiseを取り上げてみたいと思います。
皆さんは、海外送金をされたことがありますか?海外送金というのは実はとても手数料が高くつきます。
(※参考&画像出典:海外送金シミュレーター)
例えば、日本からアメリカに$100(約10,000円)分を送金しようとすると、楽天銀行の場合、手数料を含めて13,057円かかることになります。
手数料の内訳を見てみると、送金手数料が750円、海外中継銀行手数料が1,000円、そして為替レートが113.07円となっています。
これを計算した時点では$1=112.07円のタイミングでのシミュレーション結果になりますが、為替手数料も合わせて考えると、手数料が合計で1,850円かかっていることになります。
$100(約10,000円)= 11,207円 なので、1,850円の手数料は実に16.5%にもなります。
このように、比較的少額の金額を海外送金しようとすると手数料がとても割高にかかるというのが海外送金です。
TransferWiseの例
一方で、同じ$100(約10,000円)を、TransferWiseで日本からアメリカに送金しようとすると、いくらかかるのでしょうか。
(※参考&画像出典:TransferWiseの手数料)
これを見れば分かるように、実際に必要な金額は11,368円です。楽天銀行の場合と比べて、1,689円節約できていることになります。
$100(約10,000円)= 11,207円なので、手数料は162円、送金額の1.4%で済んでいることになります。
TransferWiseの手数料は、円からドルへの送金の場合、送金1回につき、送金額の0.55%と固定費100円がかかります。
TransferWiseは、通常の銀行と比べて圧倒的に低い手数料で送金が可能になっているわけですが、一体どのような仕組みでこれを実現しているのでしょうか。
Next: なぜ格安で海外送金できるのか? 今後もTransferWiseが伸びるワケ