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“天命”を担う安倍首相。「日本会議」の隠されたアジェンダと解釈改憲

日本会議と安倍政権の「改憲マニュアル」

これはとんでもないことである。憲法改正の手続きのハードルが高いので、現行憲法を全否定し、憲法の解釈を変えることで改憲してしまうという姑息な方法だ。しかし、まさにこれにあたるのが、現在の「集団的自衛権」である。

周知のように「集団的自衛権」は、政府答弁によると、日本に対して直接の武力攻撃をしていない国に対して、防衛出動、武力行動をすることは法律上可能になり、さらになんと、日本に対する攻撃の意思がない国に対して、日本から攻撃する可能性を排除しないともしている。これは、「先制攻撃」を禁止した現行憲法の明白な違反である。

圧倒的に大多数の憲法学者が違憲としている「集団的自衛権」を強行採決で突破する安倍政権の手法は、まさに生長の家・谷口氏の前掲文章「反憲的解釈改憲」の手法そのものである。この文章こそ、「日本会議」と安倍政権の「改憲マニュアル」だと言ってもよいだろう。

「集団的自衛権」が抵抗なく可決されてしまうことで、この手法は憲法の「国防」のみならず他の分野にも適用され、憲法全体が実質的に骨抜きにされていってしまうことだろう。

日本会議と安倍政権が目指す「天皇制国家」は超階級社会

こうした「解釈改憲」の先に見えるものこそ、「天皇制国家」である。戦前の経験のない我々には、「天皇制国家」と言ってもすっきりとイメージできにくいかもしれない。しかし、現在「日本会議」と安倍政権が目指している「天皇制国家」とは、日本版の「超階級社会」のことでしかないはずだ。

このメルマガの読者であれば周知だろうが、いま先進国は成長の限界に突き当たりつつある。このまま行くと、経済危機と失業率の増大から国内の不満は爆発し、社会が不安定になる恐れがある。

そのため超富裕層と支配層は結託し、国民を徹底的に管理して不満を押さえ込み、彼らの既得権益が維持できる体制の構築を模索している。これは現在の階層間格差を固定することになるので、「超階級社会」と呼ぶことができるはずだ。

結局「天皇制国家」とは、戦前の支配層の末裔と現在の支配層、超富裕層、そして戦前を理想化する一部の宗教団体が既得権益を維持するための装置でしかないと言ってよいだろう。

今上天皇は護憲派か?

だがいま、「集団的自衛権」への抗議は全国的に拡大し、安倍政権の支持率も30%台に低落している(編注:本稿初出の2015年8月14日時点)。支持率の低落が今後も続くと、たとえ「集団的自衛権」が可決された後でも、「反憲的解釈改憲」による現行憲法の全面的な骨抜き化は難しくなるだろう。

さらに、安倍政権の戦前回帰の動きに明白な抗議の姿勢を鮮明にしているのが今上天皇である。主要メディアでは報道されない場合もあるが、今上天皇は憲法擁護を示唆する発言が多い。

もちろん、天皇は日本国の「象徴」であるので、政治的な発言は憲法上できない。しかし今上天皇は、憲法の枠内のギリギリのところで、そのような発言を明白にしている。

ところで、天皇は「内奏」という制度化された機会が与えられており、そこでは天皇自身の意見がやんわりと表明されているという。もともと「内奏」は、天皇がときの情勢を知り、世間を理解するための個人的な学習の場であった。

しかし「内奏」はそれにとどまらず、天皇の政治的な意見表明の場として利用され、その意見はときの政権の意思決定をも左右する大きな影響があるともされている。

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