【グラフで紹介すると】
(A)の9月5日にはバブソンは「昨年も一昨年も繰り返し言って来たように、この相場は遅かれ早かれ暴落するだろうし、その結果は恐ろしいものになる」と発言したのだ。
なお(A’)は1928年のバブソンが警告発言した時点、(A”)は1927年のバブソン警告発言時点を示しています。
それだけで株価は3%も下落。
9月26日、ブローカーズ・ローンが2億ドル弱増大し、残高は68億ドルに達した。
その後、「株価値下がりを止めるために組織的買い出動が入る」との噂話が広まる。
10月1日米国銀行協会年次総会で会長が「小口融資残高が増加しており、問題である」と示唆した。
10月5日、フィッシャー教授は、「数ヶ月以内に株価は大きく上昇するだろう」と発言。
その背後では米国工業生産高は減少していたのだが、彼は実体経済に注意を払わなかったのだろう。
(B)の10月23日フィッシャー教授は「株価は永久的な高値の横這い状況になる」とバブソン教授に反駁した。
<その翌日の10月24日、有名な暗黒の木曜日の大暴落が起きた>
その後、下落と上昇の繰り返し。多分、不安感は高まる一方だった事だろう。
10月28日、月曜日NY取引所での最大の下落、約140億ドルが露と消えた。米国の市中に流通している通貨量の約3倍に相当したそうだ。新聞記者の一人は「この暴落は優良株の決定的な弱点」を指摘。それは証拠金取引で庶民が買う株が優良株。優良株なら下落は無いから!と博打をするからだ。しかし借金で買った株が下がれば、証拠金の請求がやってきて、保有している優先株を直ぐに売らざるを得ない。つまり優良株は以外と脆弱なものだったのだ。
10月29日火曜日、再び暴落。約100億ドルが消えた。米国市中流通している通貨量の約2倍になる金額。ウォール街に1万人以上の人々が集まり、泣くか?または呆然としていた日。近くの聖公会のトリニティ教会にユダヤ教徒やプロテスタント教徒やカソリック教徒までが集まり祈りを捧げた日となった。
<11月、自動車が供給過剰で中古車が溢れかえっていた。銀行預金残高も減少>
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