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日米株価底打ちの根拠~「年末節税売り」の終わりと黒田総裁の二面性=藤井まり子

黒田総裁の二面性~2016年、日銀は追加の金融緩和策を打つか?

もちろん、2016年の日本の場合は、「ドル円」だけを眺めれば、FRBが利上げ着手すると、日米の金利差が開くので、素直に「ドル高円安」が進行すると見てよいでしょう。

それでも、FRBの利上げ着手「直後」の半年間くらいは、急速に進み過ぎた「ドル高」の修正局面が起こるかもしれません。

2016年は、こういった修正局面で、一時的にドル安円高が進み過ぎるような事態になれば、黒田日銀はためらうことなく「追加の金融緩和」(バズーカ砲第3弾)を打つことでしょう。

創刊当初よりお伝えしてきていますが、黒田日銀総裁には、2つの側面があります。

1つは、「国際通貨マフィア」としての側面です。「通貨マフィア」としての黒田日銀は、ドラーギECBと共に、アメリカFRBの利上げ局面で、イエレンFRBとバトンタッチする形で、グローバル・マーケットにジャブジャブのマネーを供給し続ける役目を担っています。世界の経済と株価を浮揚させて支える役割を担っているのです。

もう1つの黒田総裁の側面は、「日本財務省出身者として、消費税増税を後押しする」という側面です。

昨年2014年10月に、黒田日銀が「第2のバズーカ砲(追加の金融緩和第2弾)」を発射したのは、1年後の「2015年10月に消費税を10%へ引き上げること」に標準を合わせていたから。それまでに、日本の景気を良くしたかったから(みなさん、よくよくご存知のように、「消費税10%への再増税」は、安倍首相の采配で、2014年12月の選挙で、その後見
送られることに成功しました)。

量的金融緩和策の発動は、「株価を速攻で上昇させ」ますが、「実体経済にはじわじわとしか効かない。量的金融緩和で実体経済が上向くには、およそ1年くらいの時間経過が必要だ」と言われています。

だからこそ、黒田日銀は、2015年10月からさかのぼって、そのちょうど1年前の2014年10月に「バズーカ第2弾」を発射したのです。2014年10月当時の彼は、「今、バズーカ砲第2弾を発射すれば、1年後の2015年10月には、消費税増税が可能なくらいには景気回復しているだろう」と踏んだのです。

実際に、2015年7-9月期の日本経済は、速報値が改訂されて、懸念されていた「2四半期連続マイナス成長」に陥ることはありませんでした!日本経済は、4-6月期を底に、その後、7-9月期には、年率にしておよそ1.0%のプラス成長に復帰しています(なんか、たいした実感はないんですが…)。

来年2016年の黒田日銀は、日本財務省から、「2017年4月の消費税10%への増税の実現」という「特命」を担っています。

金融緩和が実体経済に効果を及ぼすのには、しつこいようですが、およそ1年の時間が必要ですから、黒田日銀が「追加の金融緩和策第3弾(バズーカ第3弾)」を打つとしたら、2017年4月から1年さかのぼって、来年の2016年4月ということになります(今のところ、2017年4月に消費税増税が予定されています)。

日本株式市場は、2016年4月までに、「2015年の最高値:日経平均2万900円」を更新する可能性はあります。

さらに、2016年夏は、日本金融村では、「衆参同時選挙になるのではないか」と言った情報が今から飛び通っています。この場合、再び、安倍首相は「消費税10%への増税は、Yesか?Noか?」を国民に問うことで、衆参同時選挙で勝利する可能性があります。

「消費税10%への増税」がストップしたならば、2016年夏以降の日本経済も、日本株式市場も、安泰になることでしょう。景気が良くなれば、国庫に納められる税収も大幅に増え、財政は再建されます。2014年~2015年の日本の財政も再建されてきています。

「消費税10%への増税」がストップしたら、引き続き、日本経済も復活、日本の財政再建もますます軌道に乗ります。ここらあたりがまるっきりわかっていない大新聞やエコノミストが多いので、私は腰が抜けそうなくらい驚いてしまいます。

【関連】イエレンFRB議長の予測~ドル高の終わり、エネルギー安の終わり=藤井まり子

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藤井まり子の資産形成プレミアム・レポート』12月15日号より一部抜粋、再構成

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