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日米株価底打ちの根拠~「年末節税売り」の終わりと黒田総裁の二面性=藤井まり子

よほどの大暴落でも起きない限りは、イエレンFRBは12月16日に利上げ着手することでしょう(編注:FRBは日本時間17日午前4時、FOMCで0.25%の利上げを発表した)。恒例のクリスマスラリーは、12月16日FOMC後のイエレン記者会見後から、無事始まるはずです。また2016年は、一時的にドル安円高が進み過ぎるような事態になれば、黒田日銀はためらうことなく「追加の金融緩和」(バズーカ砲第3弾)を打つことでしょう。(『藤井まり子の資産形成プレミアム・レポート』藤井まり子)

株価上昇「イエレン・シャーマニズム」の意外な正体

アメリカのタックス・ロス・セリングとは

イエレンFRBは12月16日に利上げを行うことでしょう。
(編注:FRBは日本時間17日午前4時、FOMCで0.25%の利上げを発表した)

「イエレン・シャーマニズム」とは、今年の場合は、「FOMC後の記者会見の後で、イエレン女史が高らかにアメリカ経済の復活を宣言して、その後、およそ1か月間の年末年始のクリスマスラリーが始まること」です。

日本時間で12月16日の深夜から、勢いよく「クリスマス・ラリー(年末年始の株価の上昇)」が始まることでしょう。

さて、アメリカでは、富裕層の節税対策の関係で、12月中旬までは、「タックス・ロス・セリング」という売りが続きます。が、この「タックス・ロス・セリング」は、イエレンFOMCの記者会見の直前の12月15日には、ぴたっと止まる傾向があります。

これ「タックス・ロス・セリング」こそが、「イエレン・シャーマニズム」の正体だったりするわけです。

アメリカでは、12月15日・16日からは、何を買っても上昇しやすい時期が、およそ1か月くらい続きます。

以下は、「タックス・ロス・セリング」の解説。

アメリカでは、税制上、富裕層を中心に「タックス・ロス・セリング」というものが12月15日あたりまで続出、株式市場を下落させる傾向があります。

「タックス・ロス・セリング」とは、アメリカの税制上、「その年に株式投資で発生した損失は、損失を確定してしまえば、同じ年の(給与などの)年収やキャピタル・ゲインと相殺できる」という「節税の仕組み」です。

ですから、2015年の場合は、2015年12月15日までに、もともと運用成績の悪かった株式やファンドなどが利益確定売りの嵐に見舞われていたのです。

そういった関係で、今週明けは、運用成績がすこぶる悪かったハイイールド債(シェール関連やエネルギー関連の社債が多い!)などなどが大量に売り浴びせられていました。

この「タックス・ロス・セリング」は、日本時間で16日夜あたりには止まるはずです。

原油価格もやっとこさ下げ止まり始めたし、タックス・ロス・セリングも終わったし、なんだか今年もよい年の瀬が始まりそうですね。

Next: 黒田総裁の二面性~2016年、日銀は追加の金融緩和策を打つか?

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