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FRB、年内「利下げ」を示唆も後手後手に。日銀は金融緩和維持決定で御託だけか=高梨彰

保険をかけまくるFRB

2回分、0.5%の利下げならば、これは単なる「保険」です。

景気刺激効果はさほど期待されません。トランプ大統領が「1%利下げしろ」と吠えたのと比べても控えめ。

なぜそんな見通しになるかを考えると、米景気は底堅く、保険以上の利下げは必要ないとの見方が反映されているためとするのが自然です。

G20での米中首脳会談が物別れに終われば、「保険かけとこうか」という調子で、7月30-31日開催のFOMCにて利下げを行いそうです。

ただし、米中首脳会談が物別れに終わった場合、保険じゃ済まないという話になるはずです。恐らく追加利下げ圧力も高まります。

Fedの出遅れを見越している米国債市場

それを見越したかどうかは不明ながら、米2年債利回りは0.1%単位での金利低下です。普段0.05%(5bp)も動けば「あー動いたなぁ」となるところで、1日に10bp動きました

Fedの出遅れを米国債市場は見越している感じです。

日銀には期待できない

ドル円は一時107円台。本日の日銀会合にて、毎度の何言っているのか分からない調子が続くと、再び107円台を試す可能性がありそうです(編注:原稿執筆時点6月20日8時30分)。

マイナス金利をさらに下げても銀行株が総崩れになるでしょうし、難しいところです。

もしかしたら、また小手先の政策変更にて、アルゴ勢からの刺激を促すかもしれません。その場合、短期的にはドル円買いに繋がるかもしれませんが、反動も大きそうです(編注:日銀は20日午前に開いた金融政策決定会合にて、短期金利をマイナス0.1%、長期金利を0%程度に誘導する金融緩和策の現状維持を決めています)。

日銀がNBA選手のように市場の不安をペネトレート(突破する)してくれるような姿勢をみせてくれれば良いのですが…。ベンチで御託並べるばかりでは、円高・株安を誘発します。

<今回のまとめ>

・Fed、保険的な利下げを示唆
・しかし、米中交渉が暗礁に乗り上げれば、保険では済まないはず
・日銀に至っては…

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高梨彰『しん・古今東西』』(2019年6月20日号)より一部抜粋
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