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アメリカ大統領すら震え上がらせた「米FBIの諜報活動」を語ろう=不破利晴

エドガー・フーバーは盗聴を中心とし、有力議員はおろか大統領さえも諜報対象の一人に含めていた。政治家に限らずあらゆる著名人が諜報の対象となり、その中には俳優なども含まれていた。どうやら興味深い情報はすべてフーバーの元に上げられていたようである。こうして集積された「秘密ファイル」は大統領でさえも震え上がらせていたのである。

FBIの予算は常に一発で議会を通過したし、ホワイトハウス内にはフーバーの銅像すら据えられた。こんな離れ業をやったのは後にも先にもフーバーだけだ。これに異議を挟む者など一人もいなかった。彼の「秘密ファイル」が恐ろしかったのだ。

女装癖があったフーバーの闇

ちなみにフーバーは生涯独身を貫いたが、それは彼が同性愛者だったからだと、インターネットを検索すると、そんなフーバー譚がはじき出される。現在では同性愛者であること蝶々するのは一つの差別であると認められつつあるので、その是非はここでは問わない。しかし、ある種の嗜好を持っていた可能性はあるようだ。

というのも、その筋の方々が集まる会合にフーバーが出席しており、こともあろうに化粧をして女性の下着を身に着けていたという証言が残されているからだ。

このフーバーの話は案外本当かもしれない。彼は事実上、裏でアメリカを支配していると言っても過言ではなかったし、そのようは人間は経済も含めたあらゆる活動がフリーハンドであるからだ。要するに自由に何でもできる環境にあったのだ。

金、酒、セックス、麻薬、カルト教団…。権力と経済力はリンクしており、そんなフリーハンドを得た人間の活動はどんどんエスカレートしてゆき、最後にはカルト教団にハマるといったように自身の精神をもいじりだすようになる。

アメリカのエスタブリッシュメントがよく陥る罠である。フーバーが前述のような嗜好を持つに至ったとしても何ら不思議ではない。

アメリカは「自由の国」ではない

アメリカは「自由の国」であるというのは、もはや都市伝説である。

フーバーの時代は共産党員でなければ一般人は監視の対象とはならなかったが、現在はテロ撲滅の一環でごく普通に市民の日常が監視されているし、治安維持の効果もあるということで市民がそれを望んでいるふしもある。

また、エドワード・スノーデンが暴露したのはアメリカNSAによる海外要人への盗聴であった。

特にドイツのメルケル首相の携帯電話の盗聴は頻繁に取り沙汰されたが、その背景にあるのは彼女が旧東ドイツで英才教育を受けており、彼女の父親も熱心な社会主義者だったため、という話もまことしやかに聞こえてくる。

これも過去の赤狩りといったように、アメリカ人の基本的なメンタリティーが根底にあるような気がしてならない。

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