日銀は4/27~28の金融政策決定会合で何らかの追加緩和策を打ち出す可能性がありますが、果たしてその効果のほどは?メルマガ『週刊 証券アナリスト武田甲州の株式講座プレミアム』が解説します。
金融政策の限界に直面する黒田日銀にマーケットはそっぽを向く?
円高デフレの瀬戸際
年初から円高進行が加速、3月第2週には一時1ドル110円台まで円高が進みました。
円高と原油安によって輸入物価は急落、直近の輸入物価指数は前年同月比マイナス17.8%となっています。また企業物価指数はマイナス3.4%、消費者物価指数は0.0%となっています。
2年前の4月に始まった黒田日銀総裁による「異次元緩和で2%の物価上昇」の約束は全く反故になった状態です。
現在の状況を放置すればどうなるかというと、消費者物価がマイナス圏に下落してしまう恐れが非常に強くなってきています。
物価がマイナス圏で継続することになれば、デフレ再来で為替も円高基調に大転換するでしょう。
4月追加緩和の効果は微妙
こうなることを防ぐために日銀は4月27~28日の金融政策決定会合で何らかの追加緩和を打ち出すと思われます。
いまのところマイナス金利の拡大、株式購入枠の拡大などが有力とみています。
問題は追加緩和が市場を動かせるかどうかわからないということです。金融政策の限界が見え始めており、緩和をしても効果が見込めるのかわかりません。
そこで期待されるのが財政政策なのですが、日本政府の動きが非常に鈍いのが気にかかります。日本政府の動きの鈍さは昨年からであり、わざと景気回復を妨げているのではないかという疑念がわいてくるほどです。
景気を良くする責任は政府にあります。日銀は政府をアシスト役であって、主役ではありません。
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