もう「模倣」は通じない
まずパクリ問題です。
模倣によって先進国の技術を自国に移植するのはさほど難しくはありませんが、いったん追いついてしまえばもうおしまいで、それ以上の模倣はできません。
これから先は、中国の人たちが本来持っている能力に依存せざるをえないでしょう。
仮に中国人が高い潜在力をもっていて、それを先端技術の開発に活かせたとしても、今までの模倣時代に比べて速度は緩やかになるはずです。
しかもアメリカとその友好国による技術移転の禁止が本格化しており、この点でも中国は難しい時代を迎えると思います。
急激に「少子高齢化」社会へ
では、人口のほうはどうでしょう。
国連は今年、中国人の年齢の中央値が38.4歳になり、すでにアメリカを上回ると推計しています(日本経済新聞2020年10月16日付より)。
過去行ってきた「一人っ子政策」の影響もあり、今後もこの少子高齢化傾向は進むとの考えられてます。なかには2100年の人口を3.5〜4.5億人と予想する研究者も出てきました(同上)。
まあ一足飛びに人口5億人割れとはならないでしょうが、今まで同国の影響力拡大を支えてきた人口拡大が止まるだけでも、同国にとっては痛手になるはずです。
中国経済の「逆回転」が始まる
もしこの見方が正しければどうでしょう。
中国にとっては逆回転の始まりです。人口が減っていくので、今までのような消費パワーをてこに、外国に影響力を行使することはできなくなるでしょう。
国内の消費が縮小していきますから、中国の企業は外に出て稼がなくてはなりません。ちょうど今と逆の構図になるでしょう。
いまはまだ「中国製造2025」の看板を掲げ技術立国を目指していますが、それも達成困難でしょう、技術力の停滞が始まれば、世界のおカネを今までのように集めてくることは難しくなるはずです。
おカネが集まらなければ、一帯一路もとん挫することになるでしょう。
中国の停滞は、私たちにとって決して喜ばしいことではありません。それでもこのような近未来はお隣に住む私たちにとって決して悪い世界ではないと思います。
『一緒に歩もう!小富豪への道』(2020年10月16日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
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