公務員の仕事はムダだらけ
その裏に、政治家や上層部の旧態依然とした硬直的な仕事の仕方、イノベーションの欠如、無駄で空虚な長時間労働もある。
何しろ、メールで一瞬にして終わる仕事を、霞ヶ関・永田町ではいちいち紙に打ち出して、FAXでやり取りするという前近代的な仕事がいまだにまかり通っている。ところが、政治家や上層部は頑なにそれを変えようとしない。
政治家や上層部がハイテクに対応できていないことで、エリート中のエリートが、大量のコピーを取る仕事、大量のコピーを配る仕事、馬鹿な野党のせいで資料を作り直すような仕事で残業し、消耗している。
株式会社ワーク・ライフバランスが「コロナ禍における政府・省庁の働き方に関する実態調査」を実施してまとめたところによると、『4割の国家公務員が、残業時間が単月100時間超』で、『議員とのやり取りは、いまだ86%がFAX』で、『国会議員が国家公務員に対して配慮しない』という。
※参考:コロナ禍における政府・省庁の働き方に関する実態調査 – ワーク・ライフバランス(2020年8月3日配信)
イノベーションに取り残された政治家や上層部
このハイテク時代にいまだにFAXのやりとりが86%というのは、要するに大半の政治家が高齢者すぎて(あるいは馬鹿すぎて)、完全に時代に取り残されているということだ。政治家は、コロナ禍でもリモートワークもできない。
この時代遅れな昭和的議員・昭和的上層部のせいで、若手官僚が前近代的な仕事をやらされてブラック化している。
何のことはない。日本は政治家も官僚の上層部も時代に取り残され、イノベーションに取り残されたまま時間が止まっており、若手の官僚はその中で最も重要な「いかに国をより良いものにしていくか」という根幹に取り組めていない。
メールで送れば済む仕事を、いまだに大量のコピーとFAXでやり取りしないといけないのだから、これでは「仕事のやりがい」など生まれるはずもない。イノベーションに取り残された政治家や上層部のせいで自分の命の時間が消費されて消えるのだ。
キャリア官僚の1割くらいはこうした状況にメンタルをやられて休職するのだが、この状況を見たら、国家公務員総合職になろうとする若手も減る。
変われない政治家や上層部にさっさと見捨てて、高給とやりがいを与えてくれる外資の多国籍企業でバリバリと働こうと考えるし、そうでなかったらコンサルタントのような仕事をして個人で稼いだ方が無駄がないと考えてもおかしくない。
つまり若手官僚もまた「こんな国では先が見えている」と見切りをつけているという姿が浮かび上がってくる。