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検察無力化か死刑か。韓国文大統領が検察総長の追放に必死なワケ=勝又壽良

韓国は癒着社会

日本の市民団体は、貧乏世帯である。会費を集めるほかに、篤志家の寄付金によって、辛うじて社会的な活動をしているのが多数である。

一方、韓国の市民団体は裕福である。政府の補助金も得ているからだ。反日の元慰安婦支援団体になると、募金を流用して団体トップは私的なマンションを購入したり、娘を米国に留学させるほどのリッチぶりである。

こういう社会構造は、韓国が癒着社会であることを認識させるものだ。それは、宗族社会の尻尾をつけている証拠である。

一例を挙げれば、韓国では同じ苗字が多数である。「金さん」「朴さん」など、数少ない姓によって色分けされている。これは、「宗族社会」の流れである。同じ姓は、先祖は同一宗族である。

儒教社会では、一門から出世した者が出たら他の人の面倒を見るのが美風とされている。これが、歴代大統領の家族周辺で数多くの汚職事件を発生させた理由である。

決して、検察が過剰権力を行使して、犯罪を摘発したものでない。この因果関係を誤解して、検察を責めるのは、逆さまの議論である。犯罪を起こした側が原因である。

腐敗認識指数で韓国39位

汚職事件の多発は、その国家の腐敗認識が低い結果である。つまり、汚職が犯罪であるという認識が低い社会では、日常的に贈収賄が行われている。

その典型例が、中国である。名刺代わりに現金を渡すという慣行が成り立っている社会であり、「腐敗認識指数」が極めて低いと見なされるのだ。

ドイツ・ベルリンに本部を置くトランスペアレンシー・インターナショナル(TI)は、「2019年国別腐敗認識指数(CPI)」を発表した。政府・政治家・公務員などの公的分野での腐敗度を10~11機関が調査した12~13種類の調査報告に基づいてスコア化し評価している。腐敗認識指数が高い国が、贈収賄を引き起さないという意味づけである。

韓国は2019年、世界39位である。決して高いランクではない。日本は20位で米国よりも上位である。韓国の腐敗認識指数が日本の半分のランキングであるのは、それだけ贈収賄への認識が鈍感ゆえに、簡単に相手の差し出す賄賂に乗っていることを物語っている。

こういう韓国では、厳しい検察が存在して初めて矯正化されるのだ。検察の「過剰権力」という言い分は間違っている。

ここで、過去の日韓に見られる腐敗認識指数の世界ランキングの推移を見ておきたい。

 年  韓国   日本
1996   27   17
 97   34   21
 98   43   25
 99   50   25
2000   40   23
 01   48   21
 02   42   20
 03   50   21
 04   47   24
 05   40   21
 06   42   17
 07   43   17
 08   40   18
 09   39   17
 10   39   17
 11   43   14
 12   45   17
 13   46   18
 14   44   15
 15   43   18
 16   52   20
 17   51   20
 18   45   18
 19   39   20

前記の腐敗認識指数と、後記の大統領就任時の金銭スキャンダルを重ね合わせると、両者に密接な関係性の存在することが浮かび上がる。

1997年:金泳三(キム・ヨンサム)元大統領、息子のヒョンチョル氏の特別融資不正事件の関与。腐敗認識指数ランクは、43~50へと跳ね上がる。

2002年:金大中(キム・デジュン)元大統領、チン・スンヒョン、チョン・ヒョンジュン、イ・ヨンホなどゲート級事件が相次ぎ起きて、その後次男のホンオプ氏と三男のホンゴル氏が拘束される。腐敗認識指数ランクは、03・04年に50~47へ高まる。

2008年:盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領の退任後、実兄や側近が金銭問題で逮捕。腐敗認識指数ランクは、盧氏の自殺という衝撃的事件で、逆に上昇する。つまり、改善したのである。

2010年:李明博(イ・ミョンバク)元大統領の実兄イ・サンドク議員と「王次官」と呼ばれたパク・ヨンジュン元知識経済部次官などが拘束された。腐敗認識指数ランクは、これ以降40台で高止まりする。

2016年:朴槿恵(パク・クネ)前大統領は「崔順実(チェ・スンシル)陰の実力者疑惑」が浮上し、同年12月国会で弾劾案が可決された。腐敗認識指数ランクは、16年に52、17年に51と高まる。文政権による「積弊一掃」で多発した犯罪摘発が影響したものだ。

Next: 腐敗事件多発の韓国。検察総長の捜査権を狭めるのは自殺行為

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