仙台市に本社を構える生活用品メーカー「アイリスオーヤマ」が、現在中国で行っているおよそ50種類におよぶ製品の生産を、コスト削減のために国内の工場に移すことを決めたことが、大きな反響を呼んでいるようだ。
報道によると、国内にある3つの工場に移されるのは、衣装ケースなどプラスチック製の収納用品の生産。原材料価格の高騰や円安の長期化の影響で、中国での生産コスト、さらに日本への輸送にかかるコストが上昇していたのだという。
中国から日本国内に生産を切り替えることで、およそ2割のコスト削減が見込めるということ。同社では今後、園芸や除雪用品の生産の移管も検討しているようだ。
「安い日本」を象徴する出来事に悲観する声があがるも…
製造コストを抑えるために、日本企業が人件費などが安いアジアなどの海外へとこぞって進出……というのも今や昔の話。
近年では、中国をはじめとした各国で人件費が高騰し、労働力の確保が難しくなっているといった問題が大いに取沙汰されることに。その反面で、日本の賃金水準はほとんど停滞したままだったこともあり、いよいよ「海外より日本で作ったほうが安上がり」といったレベルにまで、事態が進行する格好となったようだ。
まさに、このところ度々叫ばれている「安い日本」を象徴するような出来事だということで、SNS上では「気持ちが暗くなるニュース」「物価と人件費の安い国、日本」などと、悲観的に捉える声が多くあがっている状況。
さらに、今回アイリスオーヤマがこのような決断を下したということは、今の円安がこの後も長期的に持続すると同社が見越していることの現れであるということで、そのことに関しても「結構衝撃的」などといった、ネガティブな反応が飛び交っているようだ。
アイリスオーヤマの「生産地を中国から日本に戻すことで二割のコスト削減が」って話、ようするに中国の労働者より日本の労働者の方が安いって話じゃない?なんか、気持ちが暗くなるニュースなんだわあ。中国ではこの三十年で労働者の賃金って上がったんだろうな…
— 長物守 (@nagamono) September 15, 2022
物価と人件費の安い国、日本。
この先の経済、どうなるのかしら。アイリスオーヤマ 約50種類の製品生産を中国から国内へ|NHK 宮城のニュース https://t.co/H2ZOs2LOIF
— 高雄 啓三 (Keizo TAKAO) 富山大学 認知・情動脳科学専攻で学生募集中! (@keizotakao) September 14, 2022
日中の人件費の差を、輸送費用の高騰と円安の影響が上回ったってことと、アイリスオーヤマはそれがこれからも長く続くと見越したってことか
結構衝撃的だな https://t.co/f7I6ornOPV
— とんくす (@tonx_25) September 15, 2022
そのいっぽうで、これまで海外で行われていた生産が日本の工場へと戻ってくるということで、それによる国内での雇用拡大を期待するといったポジティブな見方も。
ただアイリスオーヤマに関していえば、最新できた工場などではロボットを積極的に採用した自動化が進んでいるということもあって、輸送コスト削減の効果はともかくとして、果たして日本国内での雇用拡大に繋がるのかと訝しむ声もあるなど、その反応は様々といったところだ。
国内で雇用が増えればなおよい。
アイリスオーヤマ 約50種類の製品生産を中国から国内へ|NHK 宮城のニュース https://t.co/LKvLuQlrEA
— yu_ku@モデルナ済 (@yu_ku_yu_ku) September 14, 2022
人件費その他諸々併せても日本のが安く上がる、てのはちょい複雑な気分
しかし日本国内に雇用が発生するのはプラスに考えて、まあ、いいか
雇用が増えれば消費も徐々に増えるアイリスオーヤマ 約50種類の製品生産を中国から国内へ|NHK 宮城のニュース https://t.co/m05o3bPJGW
— はんぷ亭らび蔵 (@humptyloveisall) September 15, 2022
アイリスオーヤマは自動化がめちゃくちゃ進んでてデカイ工場にロボットが全部やって人間は見張り役の数名しかいないから日本の人件費ガーは論点にならないんじゃないの
— 春風 (@hrkzism1224) September 15, 2022
円安下で「海外進出支援」を推し進める政府
このように、広く衝撃が走る格好となった今回のアイリスオーヤマによる生産態勢の“国内回帰”だが、この動きは他の国内メーカーにも波及するのではないかという見方も。
さらには海外の企業に関しても、今後は“安い”日本への生産拠点などの進出が進むのではないかという予測も。物価高騰の一因ともみなされ、白眼視されることも多い昨今の急激な円安だが、このような大きな雇用を創出する可能性を秘めた動きに関しては、「まさに円安のメリットだ」といった声も多いようだ。
これが円安の効果の一端。国内生産の競争力を強化し、特に地方での雇用を作り出す。円安の維持は大切だ。⇨中国から国内に生産を切り替えることで、およそ2割のコスト削減が見込める。アイリスオーヤマ 約50種類の製品生産を中国から国内へhttps://t.co/DRMjsQqdWF
— 金子洋一・元参議院議員(神奈川県選出) (@Y_Kaneko) September 15, 2022
『アイリスオーヤマ 約50種類の製品生産を中国から国内へ』
「中国で行っているおよそ50種類の製品の生産を国内の工場に移すことを決めた」
国内に工場が回帰し、国内の雇用を生んで、国内で金が回る。そして輸出品が伸びて外貨が日本に入って来る。コレが円安のメリット。https://t.co/qqhhlJ3U2O
— Fire丸山️Boost 3.0 (@fireroadster) September 15, 2022
いよいよ製造拠点の国内回帰が始まりましたね。そのうちアジアの企業が「製造するなら諸式の安い日本で」ということで各地に工場建設ということになるんでしょうか・・・ https://t.co/IvzO5xdtBZ
— 内田樹 (@levinassien) September 14, 2022
しかしながら、そんな状況下で政府のほうはというと、つい先月には中小企業の海外進出を支援する「海外ビジネス投資支援室」なるものを、内閣官房に設置するとの報道があったばかり。
海外進出における候補地の紹介や販路開拓、資金調達などを一括で支援するというもののようだが、まるで時代に真っ向から逆行するかのようなこの動きに、SNS上からは「チグハグ過ぎ」「アホ丸出し」と批判が噴出しているところ。
円安が進行する中、岸田政権は、エネルギー問題の解決を図るとともに、生産の国内回帰を支援するのかと思いきや、なんと「海外ビジネス投資支援室」を設置。なぜこんな時代に逆行する政策を推し進めるのか?力の入れどころがチグハグ過ぎて、呆れるほかない。 https://t.co/ig3Uld4KtP
— てつや (@tezheya) September 14, 2022
円安生かし「稼ぐ力」強化 物価上昇に負けない賃上げを―岸田首相が検討指示・諮問会議:時事ドットコム https://t.co/hNHMgqbCHy <この間、円安なのに「海外ビジネス投資支援室」なる物を作ってさw普通円安なら「国内投資」だろ?w アホ丸出しw
— tom16 (@tom16com) September 14, 2022
長期化は必至との見方も多い昨今の円安に対しては、「ピンチはチャンス」とばかりに逆手に取っていこうといったポジティブな声も少なからず出ているところだが、肝心の政府がコレでは……と、ほとほと呆れる向きも多いようである。
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