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W杯の勝者は『ABEMA』。賭けに勝ったサイバーエージェント株は買いか?長期投資のプロが企業価値と将来性を徹底分析=栫井駿介

私は今回のサッカーW杯をABEMAで観戦しました。なぜかというと、本田さんの解説がすごく面白いから。しかもわかりやすいということで、非常に親近感を覚えました。このサイバーエージェント、W杯を全部無料で中継しています。かなり巨額の金額を投じて、これをやっています。もしW杯が盛り上がらなかったりした日には、大損害なわけです。その賭けに勝ったと、ある意味言えると思います。それで株価も上がっているのです。この記事では「サイバーエージェントは一体何やってるのか」「長期目線で投資できるか?」という観点で解説したいと思います。投資や経済に興味のある方は、ぜひご覧になってください。(『 バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 』栫井駿介)

プロフィール:栫井駿介(かこいしゅんすけ)
株式投資アドバイザー、証券アナリスト。1986年、鹿児島県生まれ。県立鶴丸高校、東京大学経済学部卒業。大手証券会社にて投資銀行業務に従事した後、2016年に独立しつばめ投資顧問設立。2011年、証券アナリスト第2次レベル試験合格。2015年、大前研一氏が主宰するBOND-BBTプログラムにてMBA取得。

もうひとりの勝者

FIFAワールドカップ カタール大会のもう1人の勝者として、ABEMAが挙げられます。

藤田社長が言っている通り、スペイン戦は朝の4時からの放映。
「こんな時間にも関わらず、また過去最高視聴を更新しました。
ご視聴ありがとうございました。」ということです。

日本が例えば最初の2戦で、敗退が決まっているみたいなことになったら、目も当てられないわけです。
しかし、グループリーグの3戦目までもつれ込んで、なおかつこれだけ盛り上がる。

そこには、ただ放送したというだけではなくて「本田圭佑選手の解説が素晴らしかった、面白かった。」というのが一部ネットで非常に話題になりました。
私も見ていて、親近感を感じました。
直近まで日本代表選手だった人の解説が聞けるというのは、松木さんの実況解説を聞いているのとは、また違う楽しみ方があったと思います。

サイバーエージェント<4751> 日足(SBI証券提供)

サイバーエージェント<4751> 日足(SBI証券提供)

これを受けまして、サーバーエージェントの株価。
「日本vsスペイン」直後の12月2日の株価は5%上昇。
ワールドカップの日本の勝利に反応しているわけです。

放映権料「200億円」

ところがワールドカップの放映は、正直かなりお金の絡んだビジネスです。
これを放送するためには、FIFAにかなりのお金を支払わなければいけません。

この金額に関しては公表されていないのですが、一説には200億円とも言われています。
それをサイバーエージェントが払って、今放送していることになります。

もはや地上波のテレビ局も躊躇するぐらい、大きな金額です。

一方で地上波にはない良い面もありまして、やはりインターネットですから、次々にいろんな情報を見られる。
全試合中継ですから、ちょうど裏でやっていた試合の状況もリアルに確認できる。
これは新しいスポーツの楽しみ方という意味もあると思います。

ドイツ戦に関しては、1日の視聴者数1,000万を超えた(ABEMAは日本だけのサービスですから)日本人の10分の1がなんとABEMAを見た。
テレビの視聴率が40%というところですから、それには及ばないわけですけれども、やはりかなり大きいということになります。

ABEMA(アベマ)は3日、サッカー・ワールドカップ(W杯)カタール大会の日本代表の1次リーグ最終戦、日本―スペイン戦があった2日の1日あたりの視聴者数が1700万を突破し、開局以来最多となった、と発表した。

出典:W杯でアベマが成し遂げたこと 識者「メディアの歴史的な転換点」:朝日新聞デジタル(2022年12月5日配信)

スペイン戦は、さらにこれを上回りました。

Next: 「ウマ娘」大ヒットで業績好調、サイバーエージェントの強さとは

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