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W杯の勝者は『ABEMA』。賭けに勝ったサイバーエージェント株は買いか?長期投資のプロが企業価値と将来性を徹底分析=栫井駿介

育成中のメディア事業

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21世紀を代表する会社を作ろうということで、ゲームでかなりヒットを生んだ。
しかしまだまだ藤田さん的には、足りないということなんでしょう。

さらに大きく伸ばそうとしているのが、メディア事業。
とくにABEMA、未来の新しいテレビです。

メディア事業には、他にもアメーバブログやtapple(マッチングサービス)などを行っています。

ABEMAへの投資が先行し、年100~200億円の赤字

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ABEMA事業、ワールドカップの放映権料のため、200億円も投じたと言われています。

実際かなりお金がかかっていまして、業績見ますと売上高は確かに伸びています。
しかし利益見ますと、2018年からずっと100億円単位、100~200億円の間で赤字を計上し続けている。

しかもこの中で、ワールドカップに200億円も投じている。
これは正直、黒字化は容易ではないと思います。

ABEMAの中で、20何チャンネルも放映していて、制作費などを考えてもテレビ局と、張り合っていこうというところ。
テレビ局が一つのチャンネル流すだけでも大変なのに、いくつもチャンネルを持ってそれを全部やっていく。

やはりお金はかかります。

しかもスポーツというのも、一つの切り口にしています。
最近スポーツの興行でもお金がどんどん上がっていて、それを取るのも今後もままならない。
一方でそれをしないことには、新たなユーザーを巻き込めないというところがあり、なかなか苦しい。

今、このメディア事業、ABEMAの事業が伸びているようにも見えます。
一般的な動画配信サービスの収入である、広告とか月額課金。
確かに伸びてはいるのですが、すごく伸びているわけではない。

周辺事業の成功例:WINTICKET

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実はうまくやっているのが、周辺事業です。

特にWINTICKET。
これは何かというと、競馬、競輪、要するにギャンブルのチケット売りです。
そのチケットを売りつつ、ABEMAで中継するというビジネス。

実はABEMAの最大の収益源とも言えるかもしれません。

WINTICKETでレース映像をライブ配信。
それからAI予想など予想が充実。
豊富なデータベース、そしてABEMA番組連動。

結果ギャンブルというとかなりお金が動きますから、そこでチケット売りがハマって、手数料収入を得られているという状況です。

これは地上波では、なかなか難しいと思います。
確かに日曜のお昼になると、一部競輪・競馬やってるところあります。

しかしそれをずっと流し続けるというと、全く興味のない人にとってはどうしようもないです。
それをインターネットだからこそ、流せるというところがあると思います。
ましてそのまま馬券を買えるという話になると、ギャンブルが好きな人にとっては、競馬場や競輪場に行く必要もなくギャンブルを楽しめる。

こういうコアなコンテンツがはまるというのは確かにあるわけです。

Next: 競合ひしめく動画配信サービス、サイバーエージェントの勝算は?

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