2026年5月26日に発表された、菊水化学工業株式会社2026年3月期決算説明の内容を書き起こしでお伝えします。
目次
今井田広幸氏(以下、今井田):本日は大変お忙しい中お集まりいただき、誠にありがとうございます。私は菊水化学工業株式会社代表取締役社長の今井田広幸です。これより、2026年3月期決算説明会を始めます。
本日は、初めに会社概要、次に2026年3月期の決算概要、そして2027年3月期の業績予想、2027年3月期の事業活動、最後に中期経営計画の推移についてご説明します。よろしくお願いします。
会社概要

それでは、会社概要についてご説明します。菊水化学工業は、1959年に名古屋で塗装工事会社として創業しました。その後、無機セメント系製品の製造メーカーへと転換し、現在に至ります。
当社は創業当初より、環境に配慮した製品の開発・製造・販売・施工を通じて、建物や土木構造物の美観と長寿命化に貢献してきました。今後も、持続可能な社会の実現に向けて挑戦を続けていきます。
企業理念

企業理念についてご説明します。当社は、社是である「みんなのために よりよい商品 ゆたかな愛情」を最上位概念とし、ビジョンの「環境共生時代にふさわしいものづくりで、持続可能な社会に貢献する」を掲げています。
そして、2050年までのサスティナビリティ方針「Repaint the future」と、2028年3月期までの中期経営計画のもと、事業を展開しています。
また、すべての行動基準として、基本方針・品質方針・コンプライアンス宣言・安全衛生方針を定め、全従業員がこれに基づいて活動しています。
サスティナビリティ活動

当社のサスティナビリティ活動の概要についてご説明します。当社は、「何もしなくてはくすんでしまう未来を、菊水化学の力で明るく塗り変えたい」という思いと、「人・暮らし・街を大切にしたい」という思いを込めた、2050年までのサスティナビリティ方針「Repaint the future」を掲げました。
この方針のもと、2030年のSDGs目標達成に向けた取り組み、2050年のカーボンニュートラル実現に向けた取り組み、そして2059年に迎える創業100周年を見据え、サスティナビリティ活動を推進し、企業価値の向上に努めていきます。
過去10年_(連結)業績の推移

スライドのグラフは、過去10年の連結業績の推移を示しています。当社グループは、ニーズにマッチした製品を提供し続けることで、常に最高の業績と企業価値の向上を目指しています。今後も変わらない志のもと、事業を展開していきます。
2026年3月期_業績ハイライト(連結)

2026年3月期の決算概要についてご説明します。当連結会計年度では、ストック物件の維持・メンテナンスを行う改修市場を中心に、建物や構造物の「困りごと」を解決する取り組みを進め、製品および工事受注の拡大に努めました。
しかし、中東情勢の緊迫化や原材料およびエネルギー価格の高騰による物価高、人手不足の深刻化などの影響により、住宅塗替えおよびマンション修繕市場での需要が依然として低調に推移する環境下での活動となりました。
その結果、売上高は前期比1.0パーセント増の216億200万円、営業利益は前期比52.3パーセント増の4億300万円、経常利益は前期比44.9パーセント増の4億9,500万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比63.1パーセント増の2億7,000万円となりました。以上が、2026年3月期決算の業績ハイライトです。
2026年3月期_(連結)売上高の分析

売上高の増加要因についてご説明します。2026年3月の経済産業省統計速報では、水系および溶剤系塗料の生産量と出荷数量が前年割れとの情報が開示されています。また、日本建築仕上材工業会の統計においても、建築用仕上塗材および下地調整材の生産数量が前年割れであるとの情報が示されています。
依然として需要が低調に推移している市場環境において、当社グループは建物や構造物の「困りごと」を解決する製品販売と責任施工により、改修市場を中心に、高耐候性・遮熱性・断熱性などの付加価値製品の拡販に努めました。
その結果、当連結会計期間の売上高は216億200万円となりました。これは前期と比較して約2億1,100万円の増収であり、前期比1.0パーセント増となりました。
2026年3月期_(連結)営業利益の分析

営業利益の増加要因についてご説明します。当期は、給与改定に伴う人件費の増加、責任施工の受注拡大による完成工事補償引当繰入金の増額がありました。しかし、売上高の増加や、売上原価率低減に努めたことによる売上総利益の増加、さらに全社をあげて経費削減に努めた結果、当連結会計期間の営業利益は4億300万円となりました。
これは、前期と比較して約1億3,800万円の増益であり、前期比52.3パーセント増となりました。
株主還元について

株主還元についてご説明します。当社は、株主のみなさまに利益を還元することが重要な経営課題であり、責務として認識しています。
2026年3月期の配当金については、昨年と同額の中間配当7円、期末配当10円となり、年間配当金を1株あたり17円とします。今後も安定的な配当を継続しつつ、株主のみなさまにとって有益な還元方法を採用していきます。
社会課題への取り組み

社会課題への取り組みについては、サスティナビリティ推進委員会のもと、テーマごとの分科会で活動しています。主な活動についてご紹介します。
1つ目は、事業全体のカーボンニュートラルを目指し、2021年度を基準に、Scope1・2のCO2排出量を2030年度までに27パーセント削減することを目標としています。当期の算出結果は、目安とする年率3パーセント以上の削減で推移しました。今後も引き続き、CO2排出量削減に取り組んでいきます。
2つ目は、女性活躍推進の取り組みです。「女性従業員のキャリアアップについて考える」を目標に、年2回の社内セミナーや交流会を開催し、女性従業員のキャリアアップへの意識改革などを進めました。
3つ目は、キャリア教育支援として地域の学生を受け入れ、仕事を知ることや働くことに興味を持ってもらう機会を提供しました。
その他にも、環境対応製品の開発、働き方改革の推進、多様な人材の活躍、ガバナンスの強化といったテーマに取り組んでいます。
2027年3月期_(連結)業績予想(連結)

2027年3月期の業績予想についてご説明します。2027年3月期の連結業績予想は、中東情勢の影響により、現時点では業績の合理的な見通しが困難なため、未定とします。今後、業績予想の算定が可能となった時点で速やかに公表します。
中東情勢の影響として、原油価格の高騰や当該地域からの輸送・供給が制限される状況が続いており、当社でも従来どおりの原材料確保が困難な状況です。その対応として、適時、製品の出荷制限および価格改定をお願いするとともに、取引先への影響を最小限に抑えるため、原材料調達・生産・供給の安定化に努めていきます。
また、関連団体である一般社団法人日本塗料工業会や一般社団法人日本塗装工業会の活動においても、関係省庁に現場の声として「製品の供給不安」などを陳述しており、先行きは依然として不透明な状況が続くと予想しています。
株主還元について

株主還元の予想についてご説明します。2027年3月期は、年間配当金17円を予想しています。中東情勢の影響により連結業績予想は未定としていますが、今後も「剰余金の配当等の決定に関する方針」のもと、安定的な配当を継続しつつ、業績動向を勘案して、総合的な判断に基づいて還元方法を検討していきます。
事業活動

2027年3月期の事業活動についてご説明します。当社グループは、ストック物件の維持・メンテナンスを行う改修市場を中心に、建物や構造物の「困りごと」として、環境対策、省エネ対策、美観回復、剥落対策、機能回復、漏水対策などに関する高付加価値製品の開発・製造に注力し、その販売・工事の拡大に努めていきます。
また、強固な販売体制および施工管理体制の充実化を図るため、2019年に発足した「アスベスト研究会」や、昨年発足した「キクスイ リフォーム ハーモニー」などを通じて、全国の関連企業を会員として募り、安全・品質・コンプライアンスを重視しながら、安定した製品および塗膜を提供することで、建物や構造物の長寿命化に貢献していきます。
事業活動

「アスベスト研究会」と「キクスイ リフォーム ハーモニー」についてご説明します。「アスベスト研究会」は、全国の関連企業のみなさまとアスベスト含有建材の除去・撤去を含む対策工事において、製品の研究・開発や現場の安全管理などについての情報交換・協議を行う場として、2019年4月に正会員57社で発足しました。
現在では正会員数が101社となり、関連省庁を交えた意見交換の座談会を開催するなど、社会課題の解決に向けて積極的に活動しています。
「キクスイ リフォーム ハーモニー」は、持続可能な社会への貢献を目指し、リフォーム・リニューアル市場において、お施主さまの「困りごと」に対し、確かな専門知識と経験をもとに最適な工法・製品による改修仕様を提案するとともに、安全かつ品質の高い施工を提供することを目的に設立したブランドです。
「信頼の塗膜で未来を彩る」をミッションに掲げ、塗装工事だけでなく、リフォーム工事全体を提案する総合プラットホームとして構築していきます。
事業活動

当社グループは、環境対策、省エネ対策、美観回復といった建物や構造物の「困りごと」を解決する活動を行っています。
近年、2025年4月の建築物省エネ法改正によるエネルギー効率向上および環境負荷軽減の取り組みや、2025年6月の改正労働安全衛生規則施行に伴う事業主の熱中症対策義務化により、住宅、工場、倉庫、公共施設などさまざまな建物の環境改善が強く求められています。
こうした背景を受け、遮熱塗料や断熱塗材などの需要が高まっており、当社では「キクスイガイナ」「キクスイ SPパワーサーモ」「水系ファインコートフッ素遮熱 BMB」などの製品を提供しています。また、遮熱・断熱の総合リフォームとして、責任施工体制の拡充にも力を入れています。
事業活動

剥落対策、機能回復、漏水対策の活動についてご説明します。日本は地震、台風、豪雨など、多様な自然災害に見舞われやすい国土であり、その対策は国家的な喫緊の課題です。このような背景の中で、私たちの活動は単なる建築物の維持管理にとどまらず、国民の生命と財産を守る重要な災害対策の一翼を担っていると認識しています。
剥落対策、機能回復、漏水対策は、それぞれが独立した課題であると同時に、複合的な災害リスクに対応する包括的なアプローチを形成しています。
私たちはこれらの分野において、高付加価値な製品と工事を提案し続けることが、災害大国日本における当社の社会的使命であると深く認識し、日々の活動に取り組んでいます。これにより、安全で安心な社会の実現に貢献していきます。
社会課題への取り組み

社会課題への取り組みとして、持続可能な社会の実現に向け、サスティナビリティに関するリスクおよび課題・対策を協議・検証するため、代表取締役社長を委員長とするサスティナビリティ推進委員会を設置しています。
委員会は、常務会により任命された実務責任者のもと、従業員から選抜された推進メンバーとともに課題解決に取り組んでいます。
その活動は、4つのマテリアリティである、事業と直結する「製品を通じた街づくり」、事業の強みを訴求する「事業を通じて困りごとの解決」、事業推進を向上させる「安心して働ける環境づくり」、事業推進の基盤となる「ガバナンスの強化と充実」に沿ったテーマの分科会で推進していきます。
中期経営計画の推移

中期経営計画の推移についてご説明します。当社グループは、2026年3月期から2028年3月期までの3ヶ年の中期経営計画を策定しました。
基本方針として「誇りと信念をもったものづくり」を掲げ、重点施策「信頼の獲得」「価値の創造」「経営基盤の強化」のもと、最終年度の経営目標である売上高250億円、営業利益10億円を目指し、事業を推進しています。
1年目の推移は、先ほど2026年3月期決算概要でご説明したとおりです。また、2030年までにROE8パーセント以上、自己資本比率50パーセント以上の確保も経営目標として定め、株主還元の重要な指標とします。
中期経営計画の推移

重点施策への取り組みについてご説明します。「信頼の獲得」では、サスティナビリティの推進として、人々がいきいきと活躍できる環境作りに取り組みます。品質向上につながる活動としては、建物や構造物の「困りごと」を解決する付加価値を提案していきます。
「価値の創造」では、需要創造の拡大として、社会インフラ市場や海外・台湾市場などの新規開拓に取り組み、製品の安定供給につながる活動として、固定資産を有効活用できる環境を整備していきます。
「経営基盤の強化」では、財務の健全化として、2030年までの経営目標であるROE8パーセント、自己資本比率50パーセント以上の確保を継続的に達成できる強固な経営基盤の構築に取り組みます。また、人的資本の高度化として、社員の健康と、生産性向上につながるデジタル化を推進します。
以上をもちまして、2026年3月期決算についての説明を終了します。最後に、6月の株主総会の承認をもって、その後、取締役会議で新たな代表取締役として選任される予定の遠山より、一言ご挨拶します。
遠山眞樹氏:今回ご参加いただいたみなさまにおいては、平素より多大なるご支援を賜り、厚く御礼申し上げます。私は、ただいまご紹介いただいた遠山です。
現在、私たちを取り巻く環境は、地政学リスクの高まりやエネルギー価格の変動、急速な技術革新など、かつてない不透明な状況にあります。このような変革期において舵取りを担うことの責任の重さを、身の引き締まる思いで受け止めています。
就任後は新体制のもと、全役職員が一丸となり、みなさまの期待に応えるべく挑戦を続けていきます。今後とも変わらぬご支援、ご指導、ご鞭撻を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。
今井田:引き続きご支援を賜りますよう、よろしくお願いします。
